農畜産物輸出拡大に向け農水省・厚労省が緊急増員、衛生証明書発行に農政事務所職員の活用も

畜産日報 2019年7月25日付
農畜産物に関する輸出規制への対応を強化する目的で、農水、厚労両省は7月26日付で、それぞれの定員を緊急増員する。内閣審議官1人が農水省に配置されるほか、農水省の定員が20人、厚労省が28人増やされる。定員増は同日付に公布・施行される政令改正に伴うもので、同時に農水省内に「輸出対策強化特別チーム」も創設される。また、輸出証明書発行業務に、農政事務所職員をあてるなど、輸出強化策関連法の策定作業も急ピッチで進められる。

政府は、農畜産物の輸出拡大を目指すなか、輸出促進の“障壁”を取り除くことを目的に、「農林水産物・食品の輸出拡大のための輸入国規制への対応等に関する閣僚会議」(議長・内閣官房長官)を立ち上げるとともに、農水省内に“司令塔”を設置することを決めている。これを受け、農水省は、“司令塔”創設と、規制解除に向けた具体策が盛り込まれた法律案づくりを進めている。

今回の増員は、輸出拡大の阻害要因を取り除く具体策を進めるために行われるもの。農水省には食料産業局輸出促進課に16人、水産庁加工流通課に4人、厚労省には、医薬・生活衛生局食品監視安全課に14人、地方厚生局に12人、国立医薬品食品衛生研究所に2人が新たに配置される。

輸出衛生証明書発行については、2省にまたがっている手続きを一元化するほか、発行作業の迅速化を図る目的で農政事務所職員を発行業務につかせる方向で検討を進めている。

〈畜産日報 2019年7月25日付〉