JAグループさいたま「農畜産物商談会2019」開催、埼玉ブランド牛・豚を紹介、こだわりの飼料などで差別化図る
本紙「畜産日報」関連では、▽(株)ミート・コンパニオン▽深谷牛(深谷特撰黒毛和牛振興協議会)/関東日本フード(株)東松山営業部▽むさし麦豚販売促進協議会▽JAいるま野/合同会社所沢ミートセンター▽JA全農さいたま(彩の国黒豚倶楽部)――が出展。
ミート・コンパニオンは、生産者とともに「埼玉武州和牛」を紹介。「武州和牛」の飼養頭数は約8,000頭と県内で最も多く、東京食肉市場(株)を中心に、さいたま食肉市場(株)などの市場に月間300頭ほどが出荷され、埼玉のブランド黒毛和牛として認知されている。飼料には、トウモロコシを多く含む配合飼料の他、オリジナルブレンドの発酵飼料を給餌。一般的な黒毛和牛より長く肥育(導入後20~ 23カ月)することで、柔らかな鮮紅色の赤身に、風味漂う白色のサシが交ざった、きめ細やかな肉質となる。会場では精肉の他、「武州和牛ローストビーフ」も紹介した。
深谷特撰黒毛和牛振興協議会は、25周年を迎えた「深谷牛」を紹介した。雄・雌それぞれに、国産の稲わら、牧草、穀物などを配合した専用飼料を使用。長年培った飼養管理の下、統一した飼料を給餌することで、均一した規格・肉質を実現している。深谷市では深谷ネギをはじめ、野菜や花の生産が盛んな地域として知られるが、地産地消をベースに生産する「深谷牛」を県民に知ってもらおうとさまざまな活動に取組んでいるという。その一環として、深谷のイメージキャラクター「ふっかちゃん」が描かれた「深谷牛オリジナルシール」を作成するなど、認知度向上に取組んでいる。
豚肉では、「むさし麦豚」や「彩の国黒豚」が紹介されていた。「むさし麦豚」はLWDの三元豚。飼料は小麦由来の自家製飼料を給餌しており、バウムクーヘンやパン、うどんなど普段人間が食べている食品ロス(工場で余剰に生産したもの、流通にのらなかったもの)を買い集め、自社工場で加熱乾燥処理したものを与えている。配合飼料を与えた国産豚肉と比べて、柔らかくとろけるような甘い脂身、ロース芯にはサシが入り濃厚な味わいが特長だ。会場では、精肉のほか、ソーセージや餃子など「むさし麦豚」を使った加工品も並んでいた。
「むさし麦豚」を使った加工品を紹介
JA全農さいたまは「彩の国黒豚」を紹介。県内5戸の生産農家で「彩の国黒豚倶楽部」を結成し、埼玉県が推奨する埼玉県優良生産管理農場制度に基づき、優良種豚の導入・専用飼料・統一管理のもと、肥育・出荷している。麦類やさつまいも、国産の飼料米といったこだわりの専用飼料を与えることで、筋繊維が細かく、歯切れの良い、柔らかい肉質となる。最近では、県内の量販店で特売フェアが組まれるなど、認知度も向上しているという。今後も、「展示会への出展を通じて、首都圏などに向け、さらなる認知度向上を図っていきたい」(担当者)方針だ。
〈畜産日報 2019年11月11日付〉