大阪・梅田に鹿児島ブランド鶏「大摩桜(だいまおう)」レストランビル開店/岡山フードサービス

「さつま極鶏大摩桜専門店とりひめ」の提供メニュー
食肉を中心とした食品卸事業などを行う岡山フードサービス(大阪市住吉区、岡山克巳社長)は10月12日、大阪・梅田に3つの新業態を展開するレストランビルをオープンする。

トータルコンセプトに「生産者直営、鹿児島直送のブランド鶏『大摩桜(だいまおう)』食べ尽くしビル」を掲げ、1~2階に鶏肉料理を提供する居酒屋業態「さつま極鶏(きわみどり)大摩桜専門店とりひめ」、3階に人気料理店・帝塚山「Genji」が監修した創作メニューを提供する「極み鶏料理だいまおう」、4階にBARやパーティー利用が可能な「Stand Daimaou」を出店する。

いずれの業態も鹿児島県内の自社農場で生産したオリジナルブランド鶏「大摩桜」を使ったメニューを提供する。理想とする鶏肉を提供するため、「大摩桜」の開発には5年の年月をかけている。

ブランド名には、「雄『大』な薩『摩』の『桜』島のように大きく羽ばたいてほしい」との願いが込められており、きめが細かく柔らかい肉質に程よく入ったサシが特徴。肥育日数は120~150日以上、生体重は1羽当たり平均6.5kgで、大きいものだと最大で10kgになるという。0日齢から平飼いによるストレスを感じさせない環境で育てている。長期間育てることで、肉がしっかりと育ち、厚みや弾力、甘みが生まれるという。処理方法は鹿児島県の生食用食鳥肉の衛生基準に則り、吊り下げ式外剥ぎ製法で行う。血抜きや脱羽した後、表面を焼焙殺菌するほか、菌が存在している内臓に触れない方法で処理を行っている。

「さつま極鶏大摩桜専門店とりひめ」では、「大摩桜」のお造り盛り合わせを一押しメニューとして提供。むね、ささみ、ふりそでなどの部位を盛り合わせており、鶏肉の歯ごたえと旨みが存分に味わえる。また、むねたたきやささみたたき、もも・せせり・ふりそでの3つの部位を皮はパリっと中はジューシーに焼き上げた「大摩桜の焼き盛り合わせ」、薄く切ったむね肉の表面をさっと炙って食べる「大摩桜の溶岩焼しゃぶ」などを提供する。

完全予約制の「極み鶏料理だいまおう」では、和洋中の創作料理を季節ごとにメニュー構成を変えながら、コース料理として提供する。

「StandDaimaou」では、酒類メニューを多数取り揃えており、BARとしての利用のほか、利用者からの要望に応じて「大摩桜」を使ったパーティーメニューなども提供する。

〈生産・加工・流通・販売を一体化させた食の6次産業化を推進〉
オープンに先駆けて10月8日に内覧会が開かれた。当日は、谷﨑俊介取締役商品本部本部長が同社の6次産業化や今回出店したレストランビルの概要について説明した。

岡山フードサービスは1980年、大阪市浪速区で創業して以来、主に外食店向けに食肉などの食材を販売してきた。事業拡大をするなかで、事業の6次産業化を目指すようになり、2007年に大阪・梅田で「ステーキ&ハンバーグ ロマン亭」を開業して外食産業に本格的に参入。2010年には「大摩桜」の育成テストを開始して生産事業に参入した。2020年2月現在、食材卸事業では年商約100億円、外食・中食店の運営では約70億円の規模に成長している。

「大摩桜」の生産事業では2013年、飼育羽数500羽の試験生産販売を行い、2015年には農場を3,000羽の生産規模まで増床したほか、農場に食鳥処理施設を併設。2019年には第2農場を新設して7,500羽数の生産規模まで拡大している。また、農場に隣接する場所に「かしわ鶏刺し専門店 大摩桜直売所」を出店。20年には「大摩桜直売所」のオンラインショップを開設している。

2020年2月現在で、農場面積1万1,743平方メートル、総飼養羽数1万300羽の規模となっている。生産事業ではこのほか、「大摩桜」の生産時に発生するたい肥を活用して、さつま芋「紅はるか」や、「知覧茶」などの契約栽培を開始している。

〈畜産日報2020年10月9日付〉