Go To Eatキャンペーン、2日間で115万人・10億ポイント利用、付与ポイント未満の利用抑制を指示、コース予約や一定金額要件を求める/農水省
同キャンペーンについて須永室長は「あくまでも新型コロナウイルス感染症により甚大な影響を受けた飲食業の需要を喚起し、食材を供給する農林漁業者を応援することを目的としている」と説明した。
事業としては、
〈1〉都道府県が発行するプレミアム(上限25%)食事券事業
〈2〉オンライン飲食予約を通じてのポイント付与事業
――を実施している。
〈1〉では、10月5日に新潟県で開始され、今後は全ての都道府県で順次開始される。大半は10月下旬~11月に開始される。
〈2〉は10月1日から開始され、10月2日までに既に115万人が予約し10億円相当のポイントが付与されており、順調な利用が開始されているとした。なお10億ポイントのうち、付与ポイント未満での利用による付与分は、システム上会計を詳細に把握することができないため不明だとした。
ポイント付与事業は、オンライン予約・利用することで、昼食時は500円相当、夕食時は1,000円相当のポイントを付与するもの。10月1日から事業が開始されたが、居酒屋チェーン店で一部消費者が席のみを予約し、極端に低額(約300円、1品のみ)だけを注文する事例が話題となった。
この場合は、飲食店自らが、予約にコースを求めたり、注文に下限金額を求めるなどの対応が想定されたため、飲食店の認識や利用者の意見を注視していた。当該居酒屋では予約をコースのみに切り替えるなどの対応を取ったが、他の飲食店での混乱を避けるために、10月8日以降は付与ポイント未満の利用を抑制する手段を各飲食店が講じることを求めた。オンライン飲食予約13事業者から、キャンペーンに参加する飲食店に対し、
〈1〉席のみの予約に一定の金額要件を提示する
〈2〉コース予約のみにする
〈3〉飲食店の実態に合わせて類する手法
――を示し順次対応していく。
事業開始時に、付与ポイント未満の利用を抑制しなかったことについては、須永室長は「集客を優先して、金額制限を設けないこともあり得ると想定し、結果として1,000円未満(夕食時)の利用があり得ることは認識していた。理屈上は極端に安価な利用もあり得るが、飲食店がコースのみの予約や、利用に下限を求めるなどの何らかの対策を講じることも想定していた。
そのため、事業開始後は飲食店の認識や、利用者の意見を注視していたが、ポイント付与が無ければあり得ないような利用が生じ、金額制限を設けていなかった個別の飲食店では極端な安価な利用が広がることを懸念する声が聞かれた。この事態は本来意図したものではない。この実態を踏まえ、オンライン予約飲食事業者とも協議をして、付与ポイント未満の利用を抑制するように指示した」と述べた。
なお付与されたポイントは飲食店でしか使用ができないため、結果として付与されたポイントは飲食店の利用促進につながることも示唆した。そのうえで「国民にはポイントを得た上で、各飲食店で積極的に利用してほしい。その中で付与ポイント未満の利用が起きたため、改めて運用する。目的を理解した上で利用してほしい」と述べ、ポイント付与事業が飲食店及び、食材を供給する農林漁業者の応援につながることを理解した上での利用を求めた。
〈畜産日報2020年10月13日付〉