アイス市場が7年連続で拡大 猛暑が氷菓やラクトアイス伸長を後押し、冬アイスも定着

2018年アイス市場は猛暑の後押しでラクトアイス・氷菓の構成比が高まった(画像はイメージ)
〈金額は前年比1.4%増、物量は4.3%増/2018年度アイス市場〉
日本アイスクリーム協会が発表した2018年度(4~3月)のアイス販売金額は、前年比1.4%増の5186億円(メーカー出荷ベース)となり、7年連続で市場拡大した。夏場の猛暑の後押しに加え、「付加価値の高い商品を、高生産性の新規設備導入で効率よく市場に供給したことや、SNSの活用強化で消費者の囲い込みができたことが功を奏した」(同協会)ようだ。

販売物量については4.3%増の92万9031klで、金額より伸長率が大きい理由はリッター単価の低い種類別ラクトアイスや氷菓の構成比が猛暑効果で押し上がり、乳固形分と乳脂肪分が最も多く含まれる単価の高いアイスクリーム、アイスミルクの構成比が下がったことが理由。中でもラクトアイスはこの近年で各社の技術レベルが格段に上がり、消費者の満足度の高い製品が市場に登場し定着。物量では市場構成比4割、金額では3割の最大カテゴリーとなっている。

アイス市場は、子どものおやつや太る原因というイメージや、小遣いの使い道が携帯電話代などに奪われるなどの要因から消費離れが起きて長年低迷していたが、冷たいおやつから「通年型デザート」への価値の広がり、「冬アイス」の需要創出、コンビニでの中間・高価格帯商品の定着、大人やシニアの取り込みなどで、着実に規模を拡大してきている。この6年間で1000億円超の上乗せを果たし、近年は従来報告のなかったメーカー分の実績も含まれるものの、食料全体の中でも力強い成長が目立つ。しかし、冬場の伸びしろもこの数年の積み上げで限界に近くなっており、夏場の供給も設備投資の効果でほぼ欠品なく乗り切ることができているため、市場成長率が鈍化傾向になっていることは否めず、2019年度の市場動向に関心が集まる。