「パピコ」で“1日不足分の野菜”を摂取、江崎グリコ「パピベジ」発売、野菜アイスの定着狙う

江崎グリコ「パピベジ りんご&にんじん」「パピベジ キウイ&グリーン」
江崎グリコは、アイスクリーム市場で定着が難しいとされる「野菜アイス」に、主力ブランド「パピコ」の新アイテム「パピベジ」で挑戦する。3月30日から「パピベジ りんご&にんじん」「パピベジ キウイ&グリーン」の2品を全国発売し、1日不足分の野菜62g相当を摂れるという機能価値と、研究を重ねたおいしさで市場定着を目指す。

江崎グリコによると、「野菜アイスは実は今まで何度も挑戦してきた。しかし野菜風味とアイスの嗜好性との間に違和感があり、納得できる風味に仕上げるには大変な苦労があった。今回、“野菜不足の解消”と“デザートとしての満足感”を両立できる味わいにこだわり仕上げた」という。

「パピコ」で挑戦することにした理由は、片手で食べるフローズンスムージーであり、スムージーという響きからも野菜摂取を簡素化・デザート化し「手軽な野菜習慣」を提案するのに最適な形態とブランドだったこと。

厚生労働省が「健康日本21」で推奨している成人1日当たりの野菜摂取量は350g。それに対し、平成29年「国民健康・栄養調査」によると、日本人の成人1日の野菜平均摂取量は288.2gと、約62g不足している。

今回発売する「パピベジ」は単なる野菜味のアイスではなく、「パピコ」ブランドの強みであるおいしさを担保しつつ、1袋(2本)で野菜62g相当が摂れる機能価値を加え、20種類以上の野菜とフルーツを手軽に摂れる商品設計にした。

「りんご&にんじん」には23種の野菜とフルーツを、「キウイ&グリーン」は24種の野菜とフルーツを使用。習慣化しやすくするため、サイズは「パピコ」定番品の80ml×2本(税別140円)に対し、「パピベジ」は45ml×2本(オープン価格)とした。市場環境から見て、食品産業新聞では、実勢売価100円前後と想定する。

定番「パピコ」は子どもからお年寄りまでユーザー層が幅広く、野菜入りミニサイズの登場は子どもに野菜を食べさせたい親や、小容量で健康的なものを摂りたい大人を取り込む期待大。2月に開催された食品卸展示会でも、アイス各社の春の新商品が並ぶ中で、「パピベジ」は注目されており、各社が挑戦しては失敗してきた「野菜アイス」が、今度こそ市場定着できるか、関心が集まっている。