自給率目標「現実的な」45%に引き戻し=農水省・基本計画案

農林水産省は17日、食料・農業・農村政策審議会の企画部会に、基本法に基づく新たな基本計画(案)を提出した。事実上の決定にあたる。最大の焦点である食料自給率目標(カロリーベース)は、10年後の2025(平成37)年、「45%」をめざす。現行基本計画の2020(平成32)年「50%」からすれば5ポイント下落に見えるが、企画部会での検証で現行目標を「現実味に欠ける」と判断、「現実に見合った目標設定とした」結果、前・基本計画の2015(平成27)年「45%」に引き戻した恰好だ。同様に生産額ベースの自給率目標も、現行計画「70%」よりは前・計画「76%」に近い「73%」と設定した。これらに伴い、食料自給率目標のベースの一部となる生産努力目標では、2025年に、米(米粉用・飼料用米を除く)752万t、米粉用米10万t、飼料用米110万t(!)、小麦95万t、大・裸麦22万tをめざす〈3面に関連資料〉。また今回の基本計画の特徴として、新たに「食料自給〝力〟指標」を提示している〉。
食料自給力指標は、4パターンに分けて、まず2013(平成25)年度の値を試算。それによると、比較的現実を反映していると思しいパターンA(栄養バランスを一定程度考慮して主要穀物を中心に熱量効率を最大化して作付)で1,495?、パターンB(パターンAで栄養バランスを考慮しない)で1,855?と、ともに推定エネルギー必要量2,147?すら下回ったのに対し、やや荒唐無稽な前提であるパターンC(パターンAでいも類を中心に作付)で2,462?、パターンD(パターンCで栄養バランスを考慮しない)で2,754?と、ともに実績値としての供給熱量2,424?を上回った。つまり現状の食料自給率は、潜在生産力からみて危機的状況にあることが浮き彫りになった(食料自給率向上の動機づけに活用)。

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