カンボジアで農業開発支援、地雷撤去後の土地で雑穀栽培試験=はくばく
㈱はくばく(山梨県南巨摩郡、長澤重俊社長)はこのほど、カンボジアのバッタンバン国立大学と、カンボジア北西部の農業開発を目的とした雑穀栽培試験の委託契約を結んだと発表した(写真=大学の圃場)。㈱日建(南アルプス市、雨宮清社長)の立ち会いのもとで行ったもの。契約日は6月3日。期間は7月1日~来年6月30日。「当初は試験栽培ということで1年の契約だが、雑穀の栽培の展望が開ければさらなる支援、協力をしていきたい」(はくばく)。
国内で流通する雑穀(大麦・黒米を除く)のほとんどは海外から輸入されている。これまで、カンボジアでは「もちあわ」などの雑穀類は栽培されていないが、今回の取り組みでバッタンバン国立大学は農学部を中心に、雨期・乾期のあるカンボジア特有の環境下での「もちあわ」「もちきび」の生育試験を行う。また、地雷除去後の自立支援を目的に農業訓練を行う認定NPO法人豊かな大地(事務局:東京都台東区、プノンペン、住岡浩二理事長)の、農業訓練対象者の農地でも試験栽培を実施。農地や農機具に適した栽培方法を検討する。
今回のカンボジアでの農業開発支援は㈱ヴァンフォーレ山梨スポーツクラブと㈱日建が行っている東南アジアでの支援活動の一環として実施するもの。カンボジアでは山梨県の面積とほぼ同じ4,544?が地雷原で、これまでにカンボジア地雷対策センターが㈱日建製の地雷除去装置などを用いて625?の地雷除去を行った。この、地雷撤去後の土地を住居や農地として利用していくことが課題としてあげられている。現状では、その地雷撤去に携わる2,000名のスタッフのうち、約6割が再定住所や農地を持っていない。2003年には地雷除去地を農地や居住地として提供する開発計画が制定され、地雷の直接・間接被害者が自立して環境改善を支援し、「復興促進と平和で豊かな国際社会実現」に寄与することを目的とした活動が始まっている。