第1四半期は増収増益、価値訴求商品への傾注が奏功=シマダヤ
シマダヤ㈱(木下紀夫社長=写真)は8月4日、「2015年度秋冬新商品発表会」を開催した。木下社長が2015年度第1四半期概況を報告。小原伸之常務、吉川博之部長が商品発表を行った。家庭用チルド商品では開発テーマの「健康」「簡便」「本格」について説明。また、原料の「国産」へのこだわりをPRした(商品紹介は後報)。
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〈2015年度第1四半期概況〉第1四半期(4~6月)は売上高90.5億円(前年同期比4%増)、経常利益5.8億円(同16%増)と増収増益で終わることができた。価値訴求に軸足を置いた販売に集中した結果と考えている。連結売上高は14%増。4月末から5月の連休まで気温が高く、順調に進んだ。6月は非常に日照が少なく、夏季商品はなかなか思うようにいかなかった。4~5月が6月をカバーしてくれた形だ。
原材料価格も上がり、その他、色々なものが上がっている中で、価値訴求商品に販売を傾注したことが一番大きかったかと思う。また、コストが上がる中でどう効率的にしていくか、工場でも取り組んできた。
家庭用営業本部の状況では、チルド麺は売上高が約3%増。流水麺については、既存の和風3品(そば・うどん・そうめん)が5%増。計画こそ下回ったが、前年を上回ることができた。また、中食市場に対応するため新たな取り組みとして日配売場へ調理型商品8品を投入。流水麺ブランド全体としては12%増となり、過去最高の売上高を更新することができた。ただ、調理型食品は計画からすると50%弱というところ。初めて取り組んだことでもあり、色々な課題が見えてきている。1つは売場の問題、1つは価格の問題、消費期間の問題もある。現状では7月20日以降、気温の上昇で極めて回転が良い。今年の状況を見て、来年に向けた戦略を考えているところだ。
健康軸の価値を追求した食塩ゼロ「本うどん」1食は74%増。ボリュームが大きい時期ではないが大きく伸びた。また、フレッシュからセミLLうどん類に移っているのか、セミLLうどん類は9%増となった。売場でロスを少なくしたいということもあるかと思う。冷やし中華は、3食は前年を割っているが、「もみ打ち」生冷やし中華(2食)は23%増となり、これも全体への貢献度が高い。
家庭用冷凍は7%減と唯一下回った。新商品の野菜タンメンは一定の評価を得たが、北海道産幌加内産そば使用石臼挽きそば(3食)が39%減と大きく割った。なかなか価値訴求ができていないところがある。ボリュームの大きい稲庭風細うどん3食・5食も18%減と減少。食数、売上ともに前年を下回った。家庭用冷凍麺市場の伸びが鈍化してきていること、また、価格競争から抜け出せていないところがあるのか。
業務用冷凍では「真打」シリーズが12%増、「太鼓判」シリーズ17%増となった。これまで太鼓判といった経済性のあるものを拡大してきたが、今年から真打をもっと立てたいと取組、拡大を図った。全体としては6%増。真打ちと太鼓判が2桁増で、業務用冷凍全体が6%というのは、大きくはPBが減少したことがある。NBの割合は非常に高まった。また、春夏では「真打」シリーズに、「旬香麺」と「つけ麺専用極太中華めん」を投入。価値訴求商品として明確に売れている。家庭用では苦戦しているが、北海道産幌加内産そばは業務用ではシーズンごとに2桁増となっており、非常に市場に受け入れられている商品だ。
海外事業はほぼ前年並。7月単月では40%増と毎月大きくブレる。4~7月でみれば2桁増という状況。まだまだ、営業の人数も少ない。これまでアジアを中心に取り組んできたが、今後、北米などにも進出する戦略は持っている。
上期(4~9月)の業績予想は、7~8月を強気に見ており、売上高は5%増の190億円、経常利益は20%増の15億円を見込む。
また、9月末までに既存の11工場でFssC22000の取得を予定しており、7割方終了していることをご報告する。