【需給俯瞰】平成30/31年米穀需要見通し、1万t“増”の741万t/7月指針

〈今年6月末在庫2年連続200万t割れ、来年6月末在庫は184万t〉
農林水産省は27日、食料・農業・農村政策審議会の食糧部会(部会長=中嶋康博東大教授)を開き、いわゆる「7月指針」(基本指針=米穀の需給及び価格の安定に関する基本指針=の策定)を審議、諮問案通り答申した。

まず今年6月末在庫は3月指針までの想定を4万t上回る「190万t」と仮置いている。6月末在庫が200万t割れを起こすのは2年連続。ここから昨年7月~今年6月の需要実績(速報値)を、前年度実績(確定値)を14万t下回る「740万t」(739.6万t)とした上で、例年通り過去21年分の需要実績を基にした算出方法トレンド(回帰式)により、今年7月~来年6月の需要見通しを、速報値ベースで「741万t」(741.1万t)とした。つまり需要量がほんのわずかながら増える見通しとなったわけだが、昨年7月~今年6月の需要実績すら3月指針より4万t減っていることからして、トレンドによる需要見通しの算出に限界感が出てきたと言える。ともかくも(配分しなかった)平成30年産の生産量は昨年の11月指針で「735万t」としていたから、結果的に30年産の生産量は29年産の実生産量を4万t“上回る”こととなった。これらをそのまま需給見通しに当てはめると、仮に30年産が“生産量の目安”通りに生産された場合、来年6月末民間在庫は184万tになる見込み。

〈米麦日報 2018年7月30日付より〉