サタケ 小麦製粉の簡易流量監視装置「インラインフローメーター」発売
「小麦製粉工程の“見える化”を実現」する装置だ。「製粉工場では品質管理に多くの資源を費やしているが、本製品が各工程の状況を把握し管理するための“目”になると考えている。小麦粉向けに販売を開始し、今後は他の原料も含め可能性を探っていく」(産業システム部・平田瑞穂部長)。1台44万円(税込)。
インラインフローメーターは小麦製粉工場の配管に取り付け、原料の流量をリアルタイムに計測する装置。計測データを工場操作室のモニターにグラフなどの形で表示する。「流量を可視化することにより、製品品質の安定化、製品歩留まりロスおよび運転コストの削減につなげることができる」。
計測データを工場操作室のモニターにグラフなどの形で表示する
小麦の製粉加工では「原料を砕いて分離する」という工程を何度も繰り返すことが一般的。処理量や歩留まりを把握するため、加工ラインの最初と最後に計量器を配置し重量を測定する。計量器が高価でサイズも大きく設置場所が限定されるためだ。そのため、途中工程の流量の定期的な確認が必要で、製品品質の変化も加工後に判明するため、途中工程の不具合の発見が難しく、製品ロスにもつながるという問題がある。
今回発売のインラインフローメーターは各加工ラインで流量をリアルタイムに計測し、加工機器の状態、流量変動、配管の詰まりなどを操作室で把握できる。原料流路の配管に設置し、流入する原料を計量、計量後に排出をするシステムで、時間ごとの流量(重量)を計測する。「製品品質と加工ラインの安定により、ランニングコストの削減にもつながる」。
流入する原料を計量、計量後に排出をするシステム
最大250台まで設置可能で、取付も容易。計量槽、原料シャッター、ロードセルの組み合わせによるシンプルな構造なため、メンテナンスも容易だ。原料が触れる接続部には全てステンレス鋼を使用。配管の傾斜最大50度まで対応する。
〈米麦日報2021年2月12日付〉