お雑煮コンテスト「Z-1グランプリ」プレ大会開催、SDGsテーマに独創性を競う/全国調理師養成施設協会「私のSDGs、ご当地食材でもったいなくない雑煮!」
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同協会はその名の通り、全国に280か所ある調理師養成施設に関わる活動をする団体で、活動の一つに食育推進事業がある。その事業のなかで、以前から「日本列島お雑煮あれこれ」と称して全国の雑煮の紹介や試食などを実施してきた。
「日本列島お雑煮あれこれ」のコンセプトが「伝統的食文化の継承を担う正統派イベント」なのに対し、今回の「Z-1グランプリ」は、餅を入れた汁物を条件に「伝統にとらわれない、自由な発想で斬新な創作雑煮を競う」もの。
2022年の「Z-1グランプリ」は“プレ大会”として、テーマは「私のSDGs、ご当地食材でもったいなくない雑煮!」と掲げた。東海・北陸地区の協会会員校や近隣の小中高校生を対象にレシピを募集し、1027作品が集まった。1次・2次審査を経て、3次審査では5作品を実食審査、2作品が最終選考に進む。
3次審査の対象となった雑煮5作品は以下の通り。
〈1〉「もったいなくない!遠州の海&山の恵みたっぷり!ZO-NI☆」推薦:中遠調理師専門学校(静岡)
〈2〉「きのこの土瓶蒸し風 トラぞうに」推薦:中川学園調理技術専門学校(茨城)
〈3〉「柚子香る自然薯と三つ葉のお雑煮」推薦:中遠調理師専門学校(静岡)
〈4〉「もちもち、レンコン雑煮」推薦:石川県調理師専門学校(石川)
〈5〉「ハレの日に召し上がれ!トマトと白野菜の紅白雑煮」推薦:都立赤羽北桜高等学校(東京)
3次審査には審査員として服部会長、笠原将弘氏(日本料理「賛否両論」主人)、姜明子氏(オレンジページ常務取締役)、粕谷浩子氏(お雑煮研究家)が登場。実食の結果、「もったいなくない!遠州の海&山の恵みたっぷり!ZO-NI☆」と「きのこの土瓶蒸し風 トラぞうに」が66点の同点で、最終選考に進むこととなった。最終選考は6月18~19日に愛知で開催される「第17回食育推進全国大会」で、来場者の投票によって行われる予定だ。
「Z-1グランプリ」最終選考進出作品「きのこの土瓶蒸し風 トラぞうに」中川学園調理技術専門学校(茨城)
笠原氏は「5作品全てがとても考えられていた。ただ、使用した食材が人参や青菜など似通ってしまい、どうしても雑煮らしさが強くなってしまっていた。SDGsという観点を考えると、例えば野菜の皮で出汁を引くなどのアイデアがあっても良かったのでは」と次回への期待を込めた感想を述べた。今回のプレ大会を経て、2023年からは対象範囲を全国に広げる予定。より個性豊かなお雑煮の登場が期待される。
〈米麦日報2022年4月26日付〉