日本IBM男性社員にオムライス料理教室、家庭生活からダイバーシティを推進/カゴメ
カゴメは、多様な人材の活用や仕事と生活の両立を図る「ダイバーシティの推進」について、「会社内にとどまらず、家庭から取り組むことが大切」(同社担当者)とする。その一環として、同社のトマトケチャップを使ったレシピであり、調理入門メニューでもある「オムライス」の上手な作り方を発信し、家庭内調理を推進していく考えだ。
講師を務めた同社社員で管理栄養士での金野たかねさんは、同料理教室を開催した背景について、「“オムライス”は、調理を始める方、そしてお子様にも最適な料理です。それは、肉、野菜、卵、ごはんなど、いろいろな食材を使用するとともに、切る、炒める、調味するなどのいろいろな調理法があるので、さまざまな食体験を一度に味わえるメニューだからです」と話す。
そして、「ご家庭で家事をされる男性でも、料理に関してはなかなか奥様には勝てないという方が多い。でも、女性でもオムライスが苦手な方はけっこういらっしゃるので、巻き返しが図れます。カゴメの“基本のオムライス”の作り方を経験していただければ、“得意料理はオムライス”と言えるようになると思います」とした。
「Diversity オムライス料理教室」
日本IBMは、すでにダイバーシティで先進的な取り組みを進めているが、これまでは女性を対象にした活動が多かったという。同社人事担当者は、「今回の料理教室のメインターゲットは、育児をしている世代の男性社員です。最近は、男性の育児に対する意識が高まっていおり、会社としても性別に関わらず、社員の働きやすい働き方や、育児に専念したいというような個人の生活を大切にしています。それにより会社に対するエンゲージメント(信頼感)も高まり、パフォーマンス向上にもつながると考えています。これからも社員の育児をサポートしていきます」と語る。
カゴメは、食品メーカーとして、自社の従業員の家庭内調理の推進に取り組んできた。それは、2年前の社内調査で既婚の男性社員の平日の調理実施状況が約3割にとどまり、世の中の既婚男性とほとんど変わらなかったことに問題意識を持ったためという。そこで、同年から自社の25の事業所で調理のワークショップを開催、のべ350名が参加したという。その輪を社外、社会へ広げていき、ダイバーシティ推進という社会課題の解決に貢献する考えだ。入門メニューの「オムライス」は、そのコミュニケーションツールとして位置づけであり、家庭内調理推進の「顔」となっている。