〈シグナル〉冷凍牛肉セーフガード回避へ
昨年8月1日からフローズンビーフでSG(セーフガード)が発動され、関税が38.5%から50%に引き上げられ、外食・中食などの原料に大きな影響を与えた。
年度が明けて4月の輸入量は3.7万tに拡大した。第1四半期(4~6月)の輸入数量が10.5万tを超せば、再びSGが発動されるが、5月の輸入量は本紙試算では3万t前後と見られ、残り数量は3.7万t前後あり、これを超すことは考えづらい。もちろん、輸入事業者が不要不急の商品を除き、通関を7月に繰り延べるとの対応を取ることが必要だが、こうした対応が行われれば、SG発動との事態は避けられそうだ。
農水省生産局食肉鶏卵課では「昨年度にSGが発動されたことで、今期の発動基準は前年度に比べ高い水準であり、輸入業者への聞き取りでは必要量を輸入する方針と聞いている。現地の相場は米国、豪州とも高い水準であり、為替も円安傾向であることを踏まえれば、輸入量が増えて再発動する可能性は低い」と指摘している。
実際に、米国、豪州の相場は、それぞれ出荷頭数が増えているにもかかわらず、米国では国内の需要が好調、かつ、東アジア諸国の需要も旺盛であり、豪州も含めて現地相場は下がることは考えづらい。為替についても、6月18日現在で110.6円と3月の106円前後に比べ4円前後の円安でコストは大きく上昇しており、強気には買えない。7月への通関繰延をきちんとすればSG回避は可能といえる。
〈食品産業新聞 2018年6月21日付より〉