J-オイルミルズ 2020年3月期第2四半期は減収増益、高付加価値品の販売が堅調

J-オイルミルズ 2020年3月期第2四半期決算
J-オイルミルズが5日発表した2020年3月期・第2四半期決算は、売上高が3.0%減の905億2,000万円、営業利益は28.3%増の41億8,400万円、経常利益は28.2%増の44億700万円の減収増益となった。油脂事業の家庭用・業務油での高付加価値品の販売が堅調だったことなどが、大幅増益につながった。

セグメント別では、油脂事業は、売上高が3.2%減の766億5,600万円、営業利益は34.2%増の36億5,400万円となった。そのうち、油脂部門は家庭用、業務用ともに物流費などのインフラコスト上昇に起因する価格是正に注力するとともに、高付加価値品の販売強化に取り組んだ。家庭用油脂は、キャノーラ油の売上高がやや前年を下回ったが、オリーブ油やごま油の伸長により、売上高は前年同期並みを確保した。業務用油脂は、高付加価値品である「長調得徳」や「JOILPRO」の販売数量が堅調に推移した。

油糧部門の売上高は前年同期を若干下回った。大豆ミールの販売数量は増加したが、販売価格はシカゴ相場により安値での推移となり、菜種ミールの販売数量も大豆ミールの低下により安値となったため。

油脂加工品事業は、売上高は1.9減の63億8,500万円、原料価格の高騰、委託加工賃の上昇、海外での業務提携に伴う費用計上により、営業損失1億2,600万円(前年同期は営業利益9,600万円)となった。

そのうち、マーガリン部門は、家庭用では4~8月までラーマ製品を対象とした消費者キャンペーンの実施や拡販に努め、業務用では高付加価値品の拡販に努めたが、売上高は前年同期を下回った。粉末油脂部門は、安定した受託生産を実現し、販売数量、売上高は順調に推移した。

食品・ファイン事業は、売上高が1.9減の67億8,800万円、過年度に実施した棚卸資産評価減の影響で、営業利益は37.4%増の5億2,900万円となった。

スターチ部門において、コーンスターチは食品用・工業用ともに、価格是正と採算改善に努めたことで減収となった。高付加価値品であるネオトラストアミコートは、品質・食感改良材として、中食向けの採用が増加した。

ファイン部門では、機能性素材の海外向け販売が好調に推移した。SOYシートは海外現地商社への働きかけによる積極的な販売で、北米を中心に新規導入が進んでおり、売上高は順調に推移した。

〈大豆油糧日報2019年11月6日付〉