伸長する豆乳ヨーグルト市場、“おいしくなかったら全額返金”で「ソイビオ」認知拡大へ/ポッカサッポロ

ポッカサッポロ「ソイビオ」シリーズ
ポッカサッポロフード&ビバレッジは、柱事業のひとつである大豆・チルド事業の2019年実績(1~12月)が、前年比118%の32億円になったことを明らかにした。「ソヤファーム」、「ソイビオ」ブランドの豆乳ヨーグルト、「アーモンド・ブリーズ」のアーモンドミルクの好調が要因である。

特に、2019年3月に新工場を稼働し、無糖大型タイプやストロー付き飲料タイプの自社生産を始めた豆乳ヨーグルトの「ソイビオ」ブランドは、大きな成長を遂げた。同社大豆・チルド事業本部の大久保正孝事業戦略部長は、「世界中で植物性食品が成長している。先月訪れた米国でも、スーパーやカフェで1年前より品揃えが充実していた。自身の健康、地球への環境配慮、新しい食体験を絡めながら、植物性食品の市場はさらに拡大すると感じている」と語る。

植物性食品の市場は、国内でも、健康・美容、たんぱく質摂取、環境負荷や資源の供給への配慮から、注目が高まっている。さまざまなメディアで取り上げられ、大豆ミートなど各社の新商品投入も活発化している。その中で、植物性ミルク(豆乳+アーモンド)の市場は、2019年で約790億円へ伸長し、2020年は800億円突破が見込まれるという。

ポッカサッポロは、生活者の健康志向を受けて植物性ミルクの可能性に着目し、素材を活かした「新しいおいしい」を実現するために思い切った投資を行った。それが、昨年3月に稼働した豆乳ヨーグルトの新工場であり、〈大豆→豆乳→発酵→充填包装〉までを一貫して製造できるようになった。

販売面では、乳酸菌とイソフラボンが一度に摂れることなどからリピート購買率が高まり、豆乳ヨーグルト市場におけるポッカサッポロのシェアは、2018年の55.8%からさらに上がると予測されている。ただ、大きな課題もある。それは、豆乳ヨーグルトを試したことがない人にとっては、“ヨーグルトに豆乳を混ぜたものでは?”という印象や“味や効果のイメージがわかない”などの理由から、トライアルにつながらないことだ。

そこで、今年は「ソイビオ 豆乳ヨーグルト」ブランドのさらなる拡大に向け、トライアル喚起をねらった商品・店頭販促の強化や、ドラッグや外食ルートの拡販を行う。「ソイビオ 豆乳ヨーグルト プレーン無糖400gカップ」は、3月23日からパッケージを刷新し、「ソイビオ 豆乳ヨーグルト 180gストロー付きカップ」は、パッケージと中味と価格を見直し、3月30日から新発売した。シティホテルなどでも採用されるケースが増えており、家庭内外でヨーグルトの選択肢が増えそうだ。

さらに、同社は盛り上げ策として、これら2品を対象に「おいしくなかったら全額返金キャンペーン」を、4月13日から5月31日まで実施する。ポッカサッポロの豆乳ヨーグルトは、独自の「おいしさ丁寧搾り製法」により、青臭みや大豆臭がないため、飲みやすさや風味などが良いことから支持を拡大している。「ソイビオ」担当の小笠原千春マネージャーは、「トライアル喚起を目的に、当社初の全額返金キャンペーンを行います。おいしさにはとても自信があり、まずは試していただきたい」とした。

また、植物性ミルクの一つとして、アーモンドミルク商品の「アーモンド・ブリーズ」ブランドは、「オリジナル」と「砂糖不使用」を3月30日にリニューアルする。カルシウム量を強化し、普通牛乳と同程度の量へアップした(239mg/200ml)。汎用性を訴求するため、4月からは季節に応じたレシピの提案を、店頭POPやSNSで発信する考えだ。

ポッカサッポロ「アーモンド・ブリーズ」シリーズ

ポッカサッポロ「アーモンド・ブリーズ」シリーズ

植物性食品市場は、これからますます成長が見込まれる。選択肢の広がりにより、その時の体調や気分に合わせた商品が選べることは生活者にとっては嬉しいことである。新しいカテゴリーの食品は、一人でも多くの人に試してもらい、味を知ってもらうことが重要になる。その点からも、ポッカサッポロが取り組む「全額返金キャンペーン」は、豆乳ヨーグルト市場全体にとっても活性化のチャンスとなりそうだ。