ひかり味噌 新工場建設で増産体制構築、1万トン以上の生産を目標に/林善博社長・2021新年インタビュー
新型コロナウイルスの問題は全く予想だにしなかった。夏を過ぎて年末に向かえば、出口が見えてくるだろうと思っていたが、結局悪化したままで年末を迎えてしまった。
2021年の社会経済情勢は後半から良くなってくるだろうと思っている。7月にオリンピックが開催されるのか、されないのか判断されると思うが、その頃には感染状況のトレンドが見えてくるだろう。後半からは回復に向かうのではないかと思っている。
新型コロナの影響が物流や、原料調達に影響しており、回復期の初期に見られるコストアップを心配している。新型コロナを制御して回復期に向かう段階で、いろいろな制約が取れてくるのには時間がかかると思っている。予防策として、輸入原料の在庫の積み増しや、第二第三の国からの原料の調達も確保しなければならないだろう。
みそについては、年間で2%から3%の数量アップを見込んでいる。これは、2021年だけではなく、毎年2%から3%の量的な成長を繰り返してきた。今後は同時に付加価値型の商品の製造販売にシフトしていきたい。売上では3%から4%の増収を考えている。
すでに、長野県の飯島グリーン工場に隣接する形で、新工場の建設に着工している。建設理由は、飯島グリーン工場の生産キャパが上限に達したからだ。2022年1月に竣工する予定で、同年4月からは増産体制に入り、1万t以上の増産を計画している。新工場では付加価値型の商品を生産していきたい。
〈「味噌屋のマスターブレンド」シリーズの第2弾投入、みそ汁以外の用途に〉
──2021年春夏の新商品について
2020年に立ち上げた「味噌屋のマスターブレンド」シリーズの第2弾商品として「味噌屋のマスターブレンド しょうが焼きのもと」「味噌屋のマスターブレンド チキンレモンのもと」を発売する。みそをみそ汁以外にも使ってもらいたいという思いから、お肉に漬け込んで焼く、漬け込み用のみそとして投入する。
ひかり味噌「味噌屋のマスターブレンド しょうが焼きのもと」
コロナ禍で調理時間が増えて、漬け込んだり、冷凍したりする「下味ブーム」に合わせた商品となっている。みそを使うことで化学調味料不使用でもしっかりうま味やコクが感じられ、商談でも好評を得ている。チキンの方は白系のみそで、しょうが焼きの方は熟成が進んだ赤系のみそを使っている。また、みそをベースにハーブやスパイス、フルーツを合わせて、和食にとどまらない新しい味わいに仕上げた。
コンセプトは「クッキングフレンドリー」とし、仕事や家事、育児に日々を忙しく過ごし、調理に時間や手間をかけたくないが、家族には安心できる材料を使った手づくりの料理を食べさせたいという人に使っていただきたい。このコンセプトは、今後開発する商品でも取り入れていきたいと考えている。
このほかには、即席生みそ汁シリーズに「あおさ」をラインアップしたほか、備蓄ニーズにも応える、大容量の「毎日おいしいわかめスープ20食」をリーズナブルな価格で3月1日から発売する。
──新商品のプロモーションについて
「しょうが焼きのもと」「チキンレモンのもと」の袋の中にお肉のもみ込み用のジッパーバッグを初回限定で入れ、しっかりもみ込んで調理していただくことを訴求していく。あとはSNSや雑誌などで認知拡大を図っていく。
また、みそでは、アンバサダープログラムを開始する。ひかり味噌のファンを作っていこうという試みで、インフルエンサーではなく、一般の人にいろいろな企画に参加してもらいながら、生の声を発信してもらうことで、商品の認知を向上させていく。メーカーとの取り組みに参加することで喜びを感じてもらえる人に集まってもらい、ファンの輪を広げていきたい。
〈大豆油糧日報2021年1月27日付〉