ネクストミーツ、代替肉は「ずっとあり続けなければいけない商品として育てていく」/佐々木英之代表取締役インタビュー
ネクストミーツ・佐々木英之代表取締役
ネクストミーツは2020年6月に創業し、植物由来の代替肉製品として、ハンバーガーやハンバーグ、牛丼、焼肉、チキンなどをリリースしてきた。焼肉店の焼肉ライクでは、「NEXTカルビ」「NEXTハラミ」を試験導入し、全店舗展開にこぎつけた。新潟県やベトナムに植物肉の生産工場を確保。米国証券市場への参入で、資金調達にも成功し、内外に向けた代替肉の開発・普及を加速させている。
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2021年に入ってからは、豊田通商と戦略的なパートナーシップを締結し、代替肉製品の国内外への流通を強化し始めた。また、こだわった食材を扱うOisixでの販売も開始し、最近ではイトーヨーカドーの精肉売場で、焼肉用代替肉「NEXTカルビ」と「NEXTハラミ」の販売を開始し、販売店舗を100店舗にまで拡大させている。
「爆発的に売れる商品ではないと思っているので、販売店には継続的に取り組んでいただくことをお願いしている。売れるから置いておくといったような一過性のブームにしたくないので、ずっとあり続けなければいけない商品として育てていくことを提案している」とし、代替肉の存在価値を理解してもらえるような考えも訴求していきたいとする。
〈発売後の製品の改良や、大豆以外の原料開発の可能性にも意欲〉
今後の展開に関しては、「やりたいことはまだたくさんある。周りからは事業展開の早さに驚かれるが、自分ではまだ遅いと考えている。もっと、海外への展開にも手をかけていきたい」とする。
また、「商品企画や開発をもっと深く掘り下げてやっていきたい。今までリリースしてきた製品をさらにバージョンアップしていきたい。原料も大豆だけではなく、他の植物の可能性を探っていきたい。農学博士の研究者も集まりつつあので、原料ベースでの研究を進め、植物肉になり得る植物の開発などにも取り組んでいく」とし、更なる製品の研究開発に意欲を見せる。
現在、新しいアイテムも開発中で、ほかの企業とのコラボレーションやメニューを提案するような製品の販売も予定しているという。
代替肉の認知のスピードに関しては、「日本の生活様式がいきなり変わるとは考えていない。ただ、米国や中国などは認知のスピードは速いと考えているので、海外はもっと力をかけて開拓していきたい」と語る。
海外での販売は現在、台湾、シンガポール、ベトナムで展開しており、今後は香港や米国、中国などでの販売を予定している。今年は、さらに、海外の食品展示会にも積極的に出展して、海外での販売を強化していく考えだ。
国内では、家具やインテリア雑貨を販売するIKEAでの販売も展開し、ブランド力の向上にも力を入れていく計画だ。
〈佐々木英之代表取締役プロフィール〉
(ささき・ひでゆき)1980年生まれ。早くから起業した経験を活かし、海外に目を向け、中国深センにて12年間、さまざまな事業に携わる。大企業向けのアクセラレータプログラムや、メディア運営で培った経験を生かし、2020年6月にネクストミーツを設立、現職に至る。国内外のメディアで話題となり日本を代表する代替肉ベンチャーとなる。フェイクミート研究家。中国語ビジネスレベル。
〈大豆油糧日報2021年5月25日付〉