グリーンカルチャーが亀田製菓、オイシックス・ラ・大地、UMIから2.5億円調達、共同開発の新製品も発売へ
会見では各社が今回の業務提携について説明し、グリーンカルチャーの金田郷史代表取締役は、「健康と地球とずっと」を掲げ、2011年に日本発の食肉ベンチャーとして創業した会社と説明した上で、「リード投資家としてはベンチャーへの出資が豊富なユニバーサルマテリアルズインキュベーターが参画しており、ハンズオンによるサポートを受けながら、企業価値の向上に取り組んでいる。亀田製菓は米菓の企業から食品総合カンパニーへの躍進を目指しており、弊社の植物肉についてもいち早く目を付けていただき、製造からマーケティングに至るまでの支援を受けている。オイシックス・ラ・大地は有機野菜のマーケットを日本で初めて作ったマーケットリーダーであり、現在売上高1,000億円を超えるメガベンチャーへと成長している。弊社のような新しいプロダクトを広げていくことに関して強力なパートナーであると認識している。またFuture Food Fundは新しい食という切り口で国内外に多くのネットワークを持っており、弊社の成長を加速させてくれる存在と認識している」と語った。
今後の事業展開では、「亀田製菓とは植物肉の共同開発と製品化、販路を活かした展開を考えている。製品を開発する技術、またそれをスケールアップしていく技術を活用させていただくことで、植物肉がより一般的に安価に手に入るような世の中を作れるのではないかと考えている。オイシックス・ラ・大地とは、マーケティングや販売という面で協業していく。同社が持つマーケティング戦略や国内会員40万人のネットワークを活かし販売していくことで植物肉を広めていきたい」と抱負を語った。
〈「Better For You」掲げ、味や食感の技術面でサポートしていく〉
次に説明した亀田製菓の田中通泰代表取締役会長CEOは、「『Better For You』というテーマを掲げ、体に良いものを食べて、健康になり、精神を安定させるといったライフサイクルを実現できる食品の提供に力を入れている。海外ではプラントベースフードの市場が定着しているが、味や食感はまだまだ改良の余地がある。そういう面でグリーンカルチャーをサポートできればと考えている」と述べた。
また、マーケティングの共創による市場の活性化を図り、サステナブルな未来の創造を消費者とともに進めていく考えも明らかにした。
オイシックス・ラ・大地の松本浩平取締役経営企画本部長は、「グリーンカルチャーは志が高く、植物肉もおいしい。当社ではヴィーガンミールキットとの商品開発での連携や、ヴィーガンミールキットの宅配の販売網と連携することで、米国での販路拡大を目指していきたい」と述べた。
オイシックス・ラ・大地では今回の業務提携によるシナジー効果に対して、△植物肉事業への参画によりフードテック事業をさらに強化できる、△運営する食品宅配事業において、植物肉商品の取扱を充実できる、△同社のヴィーガン関連事業との連携による商品力の強化も望める──ことなどを期待しているとした。
〈大豆油糧日報2021年7月5日付〉