代替肉のネクストミーツ、シンガポールで提携工場を確保、販路拡大を加速 「鬼滅の刃」現地限定コラボカレー・焼肉丼の発売も

ネクストミーツ シンガポールCEO・安田哲氏
日本アセアンセンター、シンガポール経済開発庁が主催した「シンガポール投資ウェビナー」で、代替肉を展開するフードテックベンチャー、ネクストミーツのシンガポールCEO安田哲氏がシンガポールでの取り組みについて講演した。

【商品詳細】鬼滅の刃コラボカレー・焼肉丼(ネクストミーツ)【シンガポール限定】

安田氏によれば、シンガポールには2020年12月から冷凍代替肉の輸入、テストマーケティングを開始したという。テストマーケティングでは、現地のディストリビューターやレストランオーナーへの試食会を実施したところ、反応が良く、「日本産品へのニーズが高く、価格や味でも勝てると判断した。

また、賞味期限が1年と長いことも、シンガポールで勝負できると判断した理由だった」と自信を見せた。BtoBでの開拓では、「考えられる全ての大手卸先を訪問し、試食会を重ねた。最初の卸売先確定時は、共同でメニュー開発も行った。メニュー開発が一番難しく、商品に予め強い味付けをしてしまうと、卸先が作りたい味に近づけない。そういう意味では、商品の味つけはうすめがいいと感じた。現在では、6ブランド約45店舗に代替肉を提供している」と述べた。

次いで、BtoCの開拓では、プレスリリースを活用し、地元の記者やインフルエンサーの力を借りて情報を拡散し、プレスイベントの開催やSNSの整備を進めることで、商品の認知度を向上させていったとしている。

今後の課題では、「米国、ベトナム、台湾に、二次加工を手掛けてくれる提携先工場を探している。乾燥した代替肉の原材料を日本から輸入して加工する方が、商品を輸入するよりも原価を大幅に抑えることができる」という。

シンガポールでは、提携先工場を確保した。国内で、「代替肉を扱っている工場が多く、興味を示すところが多かった」としており、現地生産のできるパートナー工場を確保したことで、シンガポールでの販路拡大をさらに展開していく体制を整えつつある。

〈シンガポール限定で「鬼滅の刃」とコラボした焼肉丼・カレーを販売〉
また、ネクストミーツは、劇場版「鬼滅の刃」無限列車編とシンガポールでコラボレーションし、9月3日から現地の和食チェーン「Aburien」でネクストミーツ丼を販売している。さらに27日からは、シンガポール国内のドン・キホーテ全9店舗で、プラントベースのインスタントカレーの販売を開始する。

ネクストミーツ シンガポール限定「鬼滅の刃」コラボカレー・コラボ丼イメージ

ネクストミーツ シンガポール限定「鬼滅の刃」コラボカレー・コラボ丼イメージ

同カレーは米国、台湾、香港、豪州、中南米など45の国と地域で上映が行われ、日本を含めた全世界での累計来場者数は約4,135万人、総興行収入は約517億円を記録している「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」とのコラボレーションで発売される。鬼滅の刃をテーマにしたカレーには鬼滅の刃のメインキャラクター達の限定版アクリルキーホルダーが各1個同梱されている。
 
また日本の焼肉丼・炙り丼を提供する和食チェーンの「Aburien」でも、劇場版「鬼滅の刃」無限列車編とスペシャルコラボした「ネクストミーツ丼」キーホルダー付きを期間限定で提供している。
 
シンガポールでの代替肉の販売は2021年4月からスタートしており、和食チェーン「Aburien」や日本でも取り扱いのある「焼肉ライク」などの日系レストランを中心に展開しており、2021年中にはシンガポール国内の提携工場での製造を開始する予定だ。