代替肉展開のネクストミーツ、“思想も商品も世界へ一気に”/白井良取締役会長トップインタビュー
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大豆ミートを使った代替肉のハンバーガーに始まり、焼肉シリーズ、牛丼と新製品を連発し、豊田通商との戦略的提携、台湾HOYAとの共同開発契約に続き、米国での上場で資金を調達、新潟県で核となる代替肉専用の生産工場の新設を発表した。
さらにイトーヨーカドーやイオンリテールで代替肉の販売を開始し、プロサッカーチームのスポンサー、テレビCMの放送など、新製品を開発・発売しながら、大胆なプロモーションを展開。国内外における販売戦略も外食メーカーとコラボメニューの開発や販売などに力を惜しみなく注ぐことで、ひときわ異彩を放っている。
白井良取締役会長は、「気候変動をなんとかしなくてはいけない。地球規模だから思想も商品も世界に広げ、どこにいても、食べられ、おいしくて、安くて、健康に良い食品を一気に広めないといけない。それにはとにかくスピードしかない」と当たり前のように話す。
白井会長によると、現状のままだと、世界的に人口が増え、生活する場や作物を作る敷地も減っていく。現在は、豆で代替肉を作っているが、それも限界が来るだろうと指摘する。
「すでに、海からたん白質を作り出す研究を始めている。微細藻類などの海洋資源から、たん白源を作り出すことができれば、さらにエコな食材を提供することができる」とし、制限のある陸地から飛び出して、海にたん白質を求めた研究開発に取り組んでいるという。
ネクストミーツの理念は「地球を終わらせない」。現在は豆による代替肉を開発販売、普及させ、チャネルを必死に開拓し、新しい市場にマーケットインしてさらに普及させながら、次の全く新しい食材を作っていくことを実践している。
白井会長は、「これからも、環境負荷軽減で一番インパクトのある食材から開発販売していく。10月にはツナを発売し、シーフードも取り組んでいく。しかし、まずは陸上の肉をメインに代替肉に置き換えていきたいと思っている」とする。
ネクストミーツ 白井会長
〈SDGs時代のロールモデルになる、5年後の売上比率は日本2割、海外8割〉
白井会長は、動物性食品のすべてを代替していくとしており、ミルクや卵の置き換えも実施していく。
「ミルクの開発は、乳牛の飼育を減らせるはず。2021年中にはリリースしたいと考えている。卵は10月中に出したい。まずは、自分たちの公式通販サイトで販売して、そこから、ロイヤルカスタマーの評価をいただき、改良してから、大ロット生産に移行する。これからは、自力で売っていくところも強化していきたい。ダイレクト販売は伸びてきているので、立ち上がりの反応や、リピートの入り方などを見ながら、一般消費者向けの小売販売も提案していきたい」とし、話題性の高いイベントを矢継ぎ早に投入していく。
「コカ・コーラやマクドナルドのように、どこにいても食べてもらえるようなブランドの構築を世界的に実施していく。おいしいものを作って、思想をブランドとして広めていく。そこが私たちのスタートラインだ。SDGs時代のロールモデルになる。日本でのブランディングを確立して、平行しながら、米国、シンガポール、中国、フランスを含めたEUなど海外での展開も強化し、日本2割、海外8割ぐらいの売上比率になるようにしていきたい。5年後には実現したい」と冷静に今後のプランを示した。
〈大豆油糧日報2021年10月18日付〉