今年のスープ市場、期待高まる春夏需要、各メーカー秋冬以外にも注目

今年のスープ市場は春夏需要にも期待が高まっている。トップシーズンに入った12月は暖冬の影響を受けてややブレーキがかかったが、1月以降は順調に推移しており、15年度(昨年4月~今年3月)のスープ市場は2~3%の増加で着地するものとみられる。秋冬需要が好調なことが最も大きな要因だが、今年度は春夏需要の伸びも顕著だった。今シーズンも春の温かいスープ、夏の冷たいスープに熱い視線が注がれている。

スープ市場は野菜摂取意向の強まり、パン食の増加、朝食摂取への取組み、レンジアップ容器入りスープの普及などで着実に増加しており、15年度の市場規模は2~3%増の900億円に達すると見込まれる。総務省の家計消費では15年の粉末スープの1戸当たりの購入金額は2895円で5・0%と非常に高い伸びとなっている。スープのトップシーズンはもちろん秋冬となるが、ここ数年、各メーカーが注目しているのが春夏需要だ。食品業界には高齢化と人口減という避けて通れないマイナス環境があるが、だからこそ国内に関しては「需要の創造」が求められる。斬新な新製品だけでなく、工夫を凝らした改良によって新しい使い方、新規需要層の開拓なども含まれる。スープの場合、「時間差攻撃」という手法による需要創造でもある。