冷食協、消費者団体と意見交換 FD指針に期待

日本冷凍食品協会(伊藤雅俊会長)は26日、都内で消費者団体との意見交換会を開いた。同協会のフードディフェンスに関する取り組みに期待する意見があったほか、昨今の異物混入に関する混乱について意見交換した。

冷食協では中国・天洋食品事件を契機に消費者団体との交流を続けており、意見交換会も年に1回開催している。この意見交換会は今回で7回目となる。今回の消費者団体からの参加者は①全国消費者団体連絡会(消団連)②主婦連合会③日本消費者協会④全国地域婦人団体連絡協議会⑤東京都地域婦人団体連盟⑥東京消費者団体連絡センター⑦フードコミュニケーションコンパス(フーコム)–の7団体から10人が参加。冷食協からは木村均専務理事、尾辻昭秀常務理事のほか、各部会、研究会の責任者が出席した。

冷食協は「食品防御(フードディフェンス)のガイドライン」を今年3月中に作成し、会員工場の支援を行っていく方針を説明した。FDガイドラインに対しては消費者団体からも複数期待の声が上がり、消費者がその内容にアクセスできるようにしてほしいとの要望が出た。冷食協ではFD対策の基本的な考え方など、ガイドラインの内容について可能な限り開示していく方針だ。

情報開示に関連して、食品への異物混入についてのメディア報道が過熱したことも話題に上った。主婦連合会の山根香織会長は「無理だとしてもゼロを目指す努力を、クレーマーと思い込まずに取り組んでほしい」、消団連の河野康子事務局長は「sNsなど拡散の仕方が従来と変わってきている。日ごろからコミュニケーションをとることが大事だと思う。開示していくことで面白おかしく取り上げられないことにもつながるのでは」、フーコムの森田満樹事務局長は「事業者からの情報開示は少なく、団体が取り組んでほしい。消費者とのやり取りの実態を見せてもらいたい」–などと述べた。冷食協品質・技術部会の伊勢宗弘部会長は「異物混入ゼロを目指すのはもちろんだが、工場内のほか原材料を含め全体で取り組まないと難しい。X線検査器を取り入れるなど、少なくとも危険な混入はなくせていけるのではないか」とコメントした。

栄養表示の義務化などとも関連して、特に塩分を抑える取り組みへの要望が複数上がった。一方、在宅介護で利用できる介護食の充実や厚労省が進めている「健康な食事」の取り組みにおいて、冷食への期待の声もあった。