迅速に製造記録を引き出せる体制を要請-凍菜協・大内山会長
台湾の冷凍農産品製造者団体である台湾区冷凍蔬果工業同業公会(台湾凍菜組合)と台湾貿易センターは5日、千葉市のホテルグリーンタワー幕張で「2015年日台冷凍農産品貿易懇談会」を開き、日台の凍菜関係者約150人が参加した(既報)。両者代表あいさつは次の通り。
台湾凍菜組合の劉貴坪理事長は次のように述べた。
「咋年の台湾は枝豆を約3万4,000t輸出したが、そのうち2万8,700tが日本向けだ。日本の枝豆輸入量の40.5%を占める。参集の皆さんの努力に感謝する。昨年は食品事件、異物混入などが問題となり、消費者の不信感が高まった。我々枝豆サプライヤーとしてこの問題は刺激となった。真剣に検討しなければならない。幸い昨年は大きな事故はなく皆さんに感謝したいが、我々枝豆加工業者としては環境、衛生、異物混入、フードディフェンス–など神経を使わなければならない。日本の皆さんと協力して頑張りたい。台湾の枝豆加工事業者は現在8社だが、今年1社増える。工場設備も改良しながら品質の高い商品を提供していく。残念ながら6%の関税はあるがその
分も連携していきたい」。
日本側からは凍菜協の大内山俊樹会長(ニチレイ取締役執行役員)が次のようにあいさつした。
「2013年に台湾から輸入された冷凍野菜の通関時の違反件数はわずか1件、届出件数に対して0.05%と大変良好な結果だった。いま日本の冷凍食品業界が一番困っているのはクレーム件数が通常の倍近くになっていることだ。食に関わる事件が立て続けに起こった結果、これまでクレームとならなかった異物混入についても申し出られるようになっている。日本では厚生労働省のガイドラインとして、健康に被害を及ぼす恐れがあるものは届出をすることになっているが、客の異物に関する常識が変わってきている。皆さんにお願いしたいのは、今まで通り異物を出さないような安全・安心な食品を作っていただくことに加えて、生産工程の記録が求めに応じてすぐに出せる体制を整えてほしいということだ。客に対するクレームにすぐに回答しなければならない状況にある。日台の関係者で長年築き上げてきた信頼関係をこのようなときこそより強く深くして、一緒に発展していきたい」。