3月期は売上高・経費横ばいながら、粗利率ダウン-旭食品・竹内社長
旭食品近畿支社と取引メーカーで組織する近畿旭友会の32回目の総会が18日、大阪市内のホテルで開催され、竹内成雄社長は参加者約300名を前に、3月期の業績の着地予想と今後の課題について述べた。
竹内社長は、15年3月期は速報値として売上高は横ばいで、経費も上回ることなく着地する見込みであるが、粗利益率が0.25ポイントダウンしていると説明した。粗利率ダウンの要因として「安売りによるものではなく、売上げ上位100社の構成比が80%を超えることで、かつての粗利が確保しにくくなっており、同時に上位企業の場合はセンター納品が多いことも、要因として挙げられる」と分析。3月31日には、分社化していた旭流通システムを本体に取り込む予定で、「形上は整った決算になる見込みである」と述べた。
竹内社長は、卸各社が同じ方向を向き、規模を追いシェア争いと価格競争に走ってきたが、時代に合わせるため大きな転換点を迎えていると前置きしたあと、「旭食品、トモシアグループらしいこと、われわれにしか出来ないことを磨いて、来年度からは新たなスタートを行い、企業体質の転換を図る。91年間の先輩の積み上げてきたことを活かしながら、新たな時代に合った会社に作り上げていきたい」とし、差益改善・催事強化・物流改善・地場産品の強化の4つの重点課題を挙げた。
竹内社長は「第1に、商売の基本である売買差益で経費を補えるよう、過度な競争と無理な不採算取引きを改めるため、上位100社との収支を小まめにチェックし互いに話し合うこと。第2に、地域の催事などをチャンスとして活かし、クロスMDも利用した仕掛けと知恵を使った販売を実践していくこと。3番目はドライバー不足・ドライバーの高齢化が進む中、物流が厳しい状況で、効率化に向けて製配販が協力し合いサプライチェーンとして深く話し合っていく必要がある。第4は、地方が疲弊する中で、地産外商と働く場を作れるように地域貢献のため、隠れた逸材を一つひとつ育てながらNBとのクロス販売提案も進めたい」と強調した。