【北陸特集④】ゲンキー平田都芳執行役員、しくみでローコスト徹底 近くて安くて便利重視

ゲンキー(福井県坂井市)は福井、石川、岐阜、愛知に食品の構成比が5割を超えるドラッグストア107店を展開する。生活必需品に特化した品揃え、徹底したコストコントロールで、近くて安くて便利な店舗を目指している。

–15年6月期第2四半期は増収増益だった

増収は新店効果。増益はコストコントロールによる。ドミナント出店に徹しているので、ドミナントの密度が高まれば、配送や販促、人員配置など効率化が進んでコストが下がる。小売はドミナントでないと利益が出ない。

–貴社の強みはなにか

坪当たりのコストコントロールだ。1坪当たり売上高はドラッグストア業界では最低。しかし、坪当たり経費も最低に抑えている。そこを司る部署があり、会社のオペレーションコスト、坪当たり経費が上がらないしくみを構築している。無理、無駄、ムラを省いた誰でもやれるしくみがここ2~3年で成果が出てきた。1人当たりの売場面積は30坪で、業界平均の2倍以上の効率だ。

当社は「今後1店あたりの売り上げは上がっていかない」を前提にしている。ネット販売やオーバーストアの時代では、売ろうとしても売れない。売ろうとするとコストがかかる。しくみ化しないと成長できない。

–商品のコンセプトは

集客部門の食品と利益の核になるヘルス&ビューティのハイブリッド。食品は購入頻度の高いものに絞り込み、ディスカウント販売する。基本はNB(ナショナルブランド)商品のEDLP(エブリデーロープライス)とPB(プライベートブランド)「Gプライス」の低価格帯の強さ。

PBはNBの半額で、値入れはNBディスカウントの2~3倍がコンセプト。実情はNBの3割安ぐらいだが、これぐらいの価格差がないと、安いと思ってもらえない。最近は高価格PBが流行っているが、当社はつくらない。PBの安さはロットをまとめることもあるが、最低必要な機能さえあればいいというトレードオフが基本だ。

–ライバルチェーンは

ライバルはない。他社を気にすると、他社に合わせた販促、営業活動になり、コストコントロールができなくなる。地代が高いところは人口も多いので売りやすいが、競合も多い。地代が安く、競合が少ないところに真空マーケットがある。人口7,000人で1店舗出店を目指している。

当社はもともと900坪の大型店からスタートした。広域商圏で1カ月に1回の来店頻度を想定していた。今は300坪で、2~3日に1回という食品スーパー並みの来店頻度の小商圏型の店舗を目指している。購入頻度の低いものは縮小し、毎日使うものを安く販売することに徹している。

–出店エリアは4県から広げないか

いや、「富士パールネックレス作戦」という長期目標を掲げている。福井の本社から富士山にネックレスをかけるようなイメージで、中部地方全体に将来は出店エリアを広げる。現在のドミナントエリアが固まってきたら、順次エリアを広げていくことになる。

今期の売上高見込みが655億円。3年後には1,000億円目指す。3年で115店を出店する計画だ。

–全文は本紙にてお読みいただけます。