マルハニチロ15年3月期は1.4%増収も18.3%営業減益
マルハニチロが7日、発表した15年3月期連結業績は、売上高が前年比1.4%増8,637億8,400万円と増収。利益面では、営業利益が18.3%減86億8,600万円、経常利益が15.2%減118億3,400万円と減益だった一方、当期純利益は、前年度に特別損失として製品回収関連費用50億4,200万円を計上していたこともあり、前年比2倍以上の126.2%増72億1,900万円と大幅増益だった(前年比はマルハニチロホールディングスの14年3月期業績との比較)。
16年3月期は、売上高9,000億円(前年比4.2%増)、営業利益155億円(前年比78.4%増)、経常利益145億円(前年比22.5%増)、当期純利益70億円(前年比3.0%減)を計画する。
当期のセグメント別業績は次の通り。
【加工事業】売上高は209,720百万円(前年比5.5%減)、セグメント損失は2,028百万円(前年比3,847百万円減)と減収減益。
冷凍食品ユニットは、市販用冷凍食品の新商品の販売が好調に推移したものの、アクリフーズ農薬混入事件の影響及び円安による原材料や海外生産品のコスト増等により、大幅な減収減益。
加工食品ユニットは、水産原料の高騰による生産コストの上昇、缶詰の売価引き上げによる売上数量の減少に加え、デザート類の商品回収及び販売不振等により、減収減益。
化成ユニットは、医薬品原料及びDHA・EPAの販売が好調に推移したものの、円安による原料価格の高騰やコンドロイチン等健康食品の不振により、増収減益。
【漁業・養殖事業】売上高は35,109百万円(前年比2.9%増)、セグメント利益は964百万円(前年比1.3%減)と増収減益。
漁業部門では、海外まき網事業が単価下落と不漁により不振だったが、養殖部門ではカンパチ・ブリの価格が堅調に推移した。
【海外事業】売上高は146,510百万円(前年比19.6%増)、セグメント利益は3,469百万円(前年比92.5%増)と大きく増収増益。
海外ユニット(アジア・オセアニア地区)は、タイで製造している欧米向けペットフード等の販売好調に加え、子会社化した豪州漁業会社の業績の貢献、更に水産原料の日本からの輸出増加により、大幅な増収増益。
北米ユニットは、欧州水産物販売会社の堅調な販売、米国産助子の販売増加、すりみ販売の増加と価格上昇により増収も、米国産鮭鱒缶詰の欧米市場での相場下落、鱒の卵の販売減少、鮭鱒の相場下落により減益。