日本食・アジア食を成長させ20年度までに北米冷食事業1千億円以上に

味の素は8日、2015年3月期決算会見を行った。伊藤雅俊社長(=写真)は「16年3月業績予想と今後の展望」について説明し、その中で新会社「味の素ウィンザー社」の基本方針と15年度以降の取り組みについて述べた。

それによると、味の素ウィンザー社の基本方針は「20年度までに北米冷凍食品事業規模1,000億円以上を実現し、日本食・アジア食(中国食、韓国食、タイ食、インド食含む)の圧倒的№1を目指すこと」。

成長性・収益性の高いアジア市場、特に日本食(米飯・麺・餃子など)での成長と収益構造の継続強化を図る。伊藤社長は「20年度までの売上増の約60%を収益性の高い日本食・アジア食で実現させる」と述べた。味の素ウィンザー社の15年度売上高約8億3,000万USドル(うち日本食・アジア食約3億5,000万USドル)を20年度には約10億4,000万USドルに年平均成長率4.5%で成長させるが、うち日本食・アジア食は年平均6.1%成長を目指し、約4億8,000万USドルの売上高を計画。

味の素15年3月期の冷凍食品売上高は前期より218億円増(21%増)の1,256億円、営業利益は19億円減(39%減)の31億円。営業利益はウィンザー社取得に伴う一時的コスト増加による約20億円の減益影響があった。また、売上高のうち、国内向け売上高は2.8%増1,156億円で、家庭用と業務用の販売比率は61%対39%となり、前期より家庭用が1ポイント減。

家庭用冷食は製品リニューアルした「具だくさんエビピラフ」が大きく伸長、「やわらか若鶏から揚げ」「ギョーザ」等も前期を上回り、増収となった。業務用は大手ユーザーへの販売が増加した。海外ではウィンザー社の連結子会社化に加え、北米の米飯や焼きそば等の麺類が大幅に伸長し、好調だった。