マルハニチロ、最新鋭の調理冷食基幹工場として石巻工場を移転建設
マルハニチロは、現石巻工場(宮城県石巻市門脇町)を移転し、同市須江地区に最新鋭の基幹工場として新工場を建設する。投資金額は57億円で、16年3月に着工、17年4月の稼働を予定する。19日、宮城県および石巻市と立地協定を締結した。
新工場は調理冷凍食品工場として年間6,600トンの生産能力を予定。同社グループが成長分野と位置付ける冷凍食品事業における生産・供給体制を強化する。また、東北エリアの発展と安定雇用の促進に貢献し、震災からの復興に寄与することも目指す。
現石巻工場は1946年の設立以来、同社グループ冷凍食品事業における基幹工場だったが、2011年、東日本大震災に被災し、生産設備のほとんどと従業員、家族を失うこととなった。その後残された建屋を改修、事業規模を大幅に縮小しながら操業を継続していたが、現在の所在地である門脇町が、国の復興計画によるスーパー堤防計画地に含まれ、同地区での事業継続が困難となったことから、新工場移転となった。
新工場は①生産性向上:無人搬送車やロボット等省人力化設備導入により従業員1人当たり生産性1.5倍②省エネルギー・環境対応: 廃熱回収システム、LED照明採用、エネルギー使用状況の「見える化システム」、省エネルギー型の自然冷媒冷凍設備導入など③品質管理およびフードディフェンス:自動認識技術を活用した新生産管理システムを導入。ICタグによる入退出管理等フードディフェンス対応④商品力強化:ヤヨイサンフーズ独自の技術力にグループ最先端の技術力を加えた生産工程を実現–などの特長を持つ。
また、震災後、現石巻工場から他工場へ異動した従業員に加え、ヤヨイサンフーズ気仙沼工場からの異動者を対象に、帰還希望者を募る予定。さらに、石巻市、近隣企業と共に災害時応援協定を締結し、災害発生時の拠点として復旧業務の役割も担う予定だという。
〔新工場概要〕所在地:宮城県石巻市須江地区産業用地(現在、造成中)▽敷地面積:50,013㎡(15,155坪)▽建物面積:8,862㎡(2,685坪)▽延床面積:11,230㎡(3,403坪)▽構造・規模:鉄骨・地上二階(一部)▽着工予定:2016年3月▽稼働予定:2017年4月▽生産品目:調理冷凍食品▽年間生産能力:6,600トン▽投資金額:57億円▽従業員数:190人。