日冷倉協が定時総会開催、新会長に日本水産細見社長
日本冷蔵倉庫協会の第42回定時総会が1日、東京・霞が関の全社協・灘尾ホールで開かれ、15年度事業計画および収支予算などが原案通り承認された。今回は任期満了に伴う役員改選期に当たり、会長がマルハニチロの伊藤滋社長から、日本水産の細見典男社長に交代した。また、8人の副会長のうち、1月に退任した東洋水産の吉野廣治前専務に代わり、同社の今村将也社長が選ばれた(他の7人は重任)。新任理事には日水物流の布施秀男常務執行役員(同協会千葉県会長)、寶船冷蔵の中井宏常務(同協会大阪府副会長)の2人が選ばれた。
同協会は14年度事業報告の中でトピックとして①「先端技術を利用した省エネ型自然冷媒機器等普及促進事業(国土交通省および環境省連携事業)による補助金の創設②「物流総合効率化法に係る税制特例」の延長③「自民党物流倉庫振興推進議員連盟」の発足④日冷倉協による「ブロック」の役割・活動の明確化⑤「フロン排出抑制法」の施行に向けた対応の推進⑥「教育研修体系」の明確化⑦「団体保険事業」の見直し・制度改訂⑧「BCPマニュアル」の発行⑨業務のIT化の推進⑩広報活動の拡充–の10点を挙げた。
総会の冒頭、あいさつした伊藤会長は、会長就任から2年間取り組んだ協会の課題である▽電気料金値上げへの対応▽フロン冷媒の問題▽施設の老朽化への対応–について触れた。
電気料金値上げについては「なかなか有効な手立てがないが、協会として要望書を出す一方で、保管料の適正収受について訴えている。少しずつお客様にも理解されはじめてきているが、さらなる電気料金値上げの動きがある中で、電力自由化の動きも見据えながら、今後とも情報収集・提供に努めたい」とした。
フロン冷媒については「国土交通省の支援により、昨年度より、環境省との連携事業として自然冷媒機器導入に際しての補助金制度が開始され、冷蔵倉庫の実績として約30億円の補助金が利用された。今年度も継続されており、来年以降についても継続、さらに拡大するよう関係各方面に強く働きかけたい」とした。
施設の老朽化対応では、国、地方自治体等に対する用地確保の要望などに引き続き取り組むという。
また、細見新会長は懇親会のあいさつで「伊藤前会長のあいさつにもあったように、冷蔵倉庫業界を取り巻く環境は決して楽観できるものではない。協会として取り組む問題に対し、これまで同様組織を挙げて取り組んで参りたい。また、フロン冷媒の問題などについては、引き続き国土交通省のご指導、(昨年11月に自民党議員有志で結成された)物流倉庫振興推進議員連盟の応援をいただきながら、補助金の拡充等、しっかり取り組んで参りたい」など述べた。