【発売半年後の店頭カバー状況③】カテゴリー別、パスタの存続率が顕著

2014年秋に新発売された家庭用冷食の主要スーパー店頭での半年後の取扱い状況について、首都圏・関西の主要スーパー35店舗の調査(取扱い延べ点数546点)をもとにして、商品カテゴリー別に分析した。当季はパスタの存続率の高さが顕著に見られた。一方で15年春のパスタ新商品は導入に遅れが見られたことから、値上げとの関連性が指摘できそうだ。調査時期は2014年4月下旬~5月上旬。

カテゴリー別配荷点数では「おかず類」が208点でトップ。配荷点数全体に占める割合は発売時調査(44.9%)から6.8ポイント減少し38.1%となった。そのうち弁当用は89点でおかず系の42.8%と発売時(64.8%)よりも大幅に構成比を落とした。特に関西地区では弁当商品がおかず類の3割と、5割弱を弁当が占めた首都圏と大きな違いが出た。

弁当商品で配荷が認められたのは発売商品の62.3%(発売時83.0%)。弁当のトップはマルハニチロ「れんこん鶏竜田 黒酢あん」で配荷率は22.9%。2割以上はこの1品だけだった。発売時トップのニチレイフーズ「クリームシチューフライ」は終売している。

一方で食卓用おかずではイートアンド「大阪王将 ぷるもち水餃子(国内工場製造)」が首都圏での配荷を伸ばし、配荷率57.1%とカテゴリートップとなった。2割以上の6品は発売当初と変わっていないが、極洋の焼き魚シリーズが関西への販売エリア拡大に伴い、同地域での配荷を伸ばした。

「麺類」は189点で構成比34.6%。発売時(30.3%)からシェアを高めた。

麺類の中ではパスタが84.1%と大部分を占めた。発売時(64.5%)よりも大幅に比率を高めた。首都圏・関西ともにパスタの割合が8割を超えた。パスタトップの日本製粉「彩々野菜 ほうれん草クリーム ベーコンと緑の野菜」(配荷率48.6%)、3位の日清フーズ「青の洞窟プレミアム マスカルポーネのボロネーゼ」(42.9%)は発売時よりもそれぞれ8.6p、17.2p配荷率を高めた。

パスタは発売された22品のうち20品がいずれかの店頭に並んでいた。存続率の高さが際立ったが、一方で15年春の新商品の配荷点数は伸び悩んだ面がある。調査時点での15年春のパスタの配荷点数は麺類全体の6割と前年より1割減少しており、3割以上の高配荷商品は1品のみだった。

麺類のうち和風と中華はともに低調。もっとも和風のトップとなったキンレイ「お水がいらない 鍋焼うどん」は関西で5割をカバーしており、発売時からの高配荷を維持した。

「スナック・デザート類」は74点でシェアは13.6%となった。首都圏が牽引し発売時よりも3.7ポイントシェアを拡大した。マルハニチロのアクリブランド商品が「こんがりと焼いた ミラノ風ドリア」(22.9%)を筆頭にグラタン類で配荷を広げつつある。

「米飯」はシェア12.5%と発売直後か1.9p減少した(なお日清食品冷凍「日清チキンラーメン 金の炒飯」は先行発売した関西のみカウントした)。関西ではシェアが16.3%とスナックより2倍近く構成比が高かった。カテゴリートップはニチレイフーズ「こだわりの鶏めし」(配荷率37.1%)、2位も同社「鉄板炒めビーフピラフ」(25.7%)が占めた。具付きの1食完結型では日本製粉「直火焼きハンバーグのロコモコ」(17.1)が健闘したほかは苦戦となった。(連載おわり)