介護食、身近な売場確保が課題に、デイサービス活用の販路も

毎年2ケタ増で推移する高齢者食向け食品、いわゆる介護食の売り場が足りない。ドラッグストアや総合スーパー(GMs)の介護専門売場などでは、ほぼ上限まで導入が進んだと見られる介護食だが、高齢者にとっての身近な売場である食品スーパー(sM)やコンビニエンスストア(CVs) などでは、導入が進んでいないのが現状だ。売場確保に当たっては認知・啓蒙も鍵となるが、こうした状況を鑑み、動き出したのは大手CVsのローソン。今夏、埼玉県内にケア(介護)ローソンを2店舗オープンした。

「介護食のおいしさ、利便性を初めて知った」と声を上げたのは都内デイサービスのケアマネージャー。デイサービスで介護食を販売する「モッテコ」のサービスを導入した当初の様子を振り返った。ケアマネージャーをはじめ、介護が必要な高齢者に日頃接している介護従事者であっても、介護食の存在を知らない人は多い。各社、勉強会の実施やサンプリングの配布など認知・啓蒙に努める動きは、ここにきて顕著に進んでおり、介護従事者から要介護者に商品を薦めてもらうことで購入機会の創出、購入頻度のアップにつなげていく。

介護食をめぐる最大の課題は、売場の確保だ。キユーピーによるやわらか食の啓蒙や明治による濃厚流動食の必要性の訴求で、ドラッグストアやGMsの介護専門売場では導入が進むが、sMやCVsでの配荷は進んでいない。

–全文は本紙にてお読みいただけます。