【冷食新年号】生産拡大と品質安全が同時進行、EDLP・リーチイン攻略が必要

冷凍食品の昨年の国内生産量はほぼ前年並みの152~154tになる見通しだ(日本冷凍食品協会調べ)。もっとも、メーカー各社は2~3月にかけて値上げを実施したことから、金額ベースでは好調の業務用のほか、家庭用も前年を上回ったと見られている。

昨年は年初に冷食最大手のニチレイフーズが千葉県船橋市に米飯専用の新工場を稼働させ、夏には日清フーズが神戸市に冷凍パスタ専用工場を、年末には極洋が宮城県塩釜市に冷食の基幹工場を、それぞれ竣工している。更に17年春にはマルハニチロが新石巻工場を稼働させる計画だ。冷凍食品が縮小する国内市場において数少ない成長分野であることは間違いない。

安全・安心面においては農薬混入事件を受けて、業界団体の日本冷凍食品協会が食品防御に係るガイドラインを策定し、運用を開始した。17年度には認定制度の基準見直しを控えている。需要の拡大と生産体制および品質・安全面の強化とが噛み合い、先行きの明るさが目立つ冷凍食品業界だが、健全な成長のために課題は少なくない。