スーパー惣菜で冷食の使用比率は50%以上=冷食協調査

日本冷凍食品協会はこのほど、「スーパーマーケットの惣菜動向調査」結果報告書をまとめた。大規模から小規模まで10チェーンに聴取調査を行い、冷食の取扱い状況や要望をまとめた。その結果、ほとんどのチェーンで惣菜の中での冷食の使用比率は50%以上となっており、今後も継続的な取扱い意向が高いという結果となった。一方で凍菜の食感や特徴のある商品づくり、納入ロット数などの課題も浮き彫りになった。

同報告書はスーパー惣菜への冷食の利用拡大に向けて、現状の利用実態と課題について調査分析したもの。調査時期は2015年12月~16年3月12日となる。

100店舗以上を展開する年商2,000億円以上の大規模スーパーから10店舗、年商150~200億円の小規模まで全10チェーンの本部惣菜担当者にインタビューを行った。スーパー惣菜における冷食の方向性について、まとめの考察も掲載している。(今後連載予定)

報告書は冷食を取り扱う上での工夫として各社共通するのは「独自性のある商品で他社と差別化を図ろうとしている」点としている。

具体的には小規模チェーンの中で「地域別や地方の特色を生かしたメニュー作り」「漁港直送の魚をフライに使用」など拠点エリアに根付いた取り組みや、大規模チェーンの中で「コロッケならコロッケを作っているメーカーに作ってもらう」など自社の規模・販売網を生かした取り組みがされている。

冷食に対する評価について、冷食の強み(満足点)としては「味」「価格」「管理のしやすさ」にあり、冷食のボトルネック(使用されていない理由)としては「食感」「味」とした。ロットの大きさも難点に挙がっている。

「味」では特にコロッケの評価が高い。「時間が経過しても味が変わらない」との評価、また「冷凍がないと数がこなせず営業していけない」という運営作業面の評価も高かった。もっとも不満点として、同じ揚げ物でも「天ぷらはまずい」との意見もあった。

「食感」については特に刺身や野菜でマイナス点に挙がった。凍菜は解凍による味の劣化や繊維が多いものは避けるとの意見があった。メーカーによる品質のバラつきも指摘され、寿司では味、色、みずみずしさに大きな違いがある、コロッケでもパン粉技術がメーカーによって大きく異なるとの意見があった。

「価格」の評価点は「比較的安定した価格である」こと。「管理のしやすさ」については在庫面でチルドと比較して保存期間が長く在庫管理しやすい、作業上では調理工程を簡略化できる、といった点が挙がった。具体的に後者については「衣を付ける」「フライヤーで揚げる」工程を省ける点が挙がっている。

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