得意先400社を集めて2015年戦略発表会を開催-アサヒビール
アサヒビールは27日、グランドプリンスホテル新高輪・国際館パミールで「2015年アサヒビール戦略発表会」を開催した。全国から特約店を中心に料飲チェーンなど、400社、400名強が参加した。懇親会ではCMキャラクターの松下奈緒さんも登場し、花を添えた。
ニッカ創業80周年とスーパードライ・総合酒類の躍進をダイナミックに描いたビデオ上映のあと、小路明善社長(写真)は巨大スクリーンの前に立ち、「昨年の消費の特徴」「アサヒビールの成果と課題」「本年の消費の特徴と方針」について説明した。
昨年の消費について「アベノミクス効果で余裕感が生まれ、プレミアム商品の急激な増加が顕著だった。また、催事やイベントによる消費の拡大で、例えばハロウィンの経済効果は1,100億円だったと試算されている。一方、個人消費はやや低迷し、増税や原材料値上げ、また夏場の天候不順が拍車をかけた。GDPは2四半期連続でマイナスだ。やはり個人消費が鍵だ。節約からメリハリ消費、つまりライフスタイルに満足を与えるものには消費する」と述べた。
次に同社の成果と課題について「スーパードライの初の“進化”は、リスクもあったが、国際的なビアコンペティションでゴールドメダルを取るなどで品質が評価され、成功した。NHK連続ドラ“マッサン”が後押しもあり、洋酒市場が活性化した。余市蒸溜所には、前年比65%増の46万6,000人が訪れた。拡販大作戦が奏功し、認知を広げた。ストーリー性のある話題の喚起が重要で、“良いモノを作れば売れる”という時代ではないことを実感する。また、夏場依存会社からの脱却を図れた年だった。夏場の天候による消費低迷もあったが、それを夏場以降の機能性発泡酒と新ジャンルで乗り切り、結果、2年連続で前年超えができた。課題点としては、中元ギフトの商品群で、消費者のニーズを捉えきれなかったことがあげられる。プリン体ゼロ、RTD、RTSなど新市場を創出する新価値商品も不足した」と述べた。
最後に今年の消費の特徴と方針について「衝動買い、ついで買いといった行動は抑制され“はずさない消費”が拡大する。節約も工夫し、進化する。総アルコール市場は横ばいで推移し、ビール類は98~99%だろう。ワイン・洋酒は3%程度増加し、焼酎は横ばいとみられる。当社は、総合酒類提案を通じて最強のパートナー企業を目指す。この10年間で商品ポートフォリオは充実し、当社の強みが出来てきた。皆さんにとって最強のパートナーになるよう努める。なだ万をグループに加えたが、飲食店の方にも相乗効果を発揮したい。ウィンウィンの関係を構築したい。課題解決とサプライズを兼ね備えた提案を行い、売上アップ、客単価アップにつなげたい。消費活性化に向けて、スーパードライのスペシャルパッケージ、初号ブラックニッカ復刻版、フリージングハイボールなどを用意している。私は社員に“空振り三振はしてもいいが、見逃し三振はダメだ”と言っている。見逃し三振は、何も提案できなかったということだ。前年踏襲を戒めるとともに、私自身、直感力(感性・観察)を研ぎ澄ませる。意思決定のスピード化と最適化、これはどこにも負けない自信はある。一緒に進みましょう」と述べた。
次に平野伸一専務取締役営業統括本部長が登壇し「国産プレミアム洋酒・ワイン・ノンアルコールのカテゴリーで№1を目指す。洋酒は竹鶴。ノンアルはドライゼロ。アルパカはチリワインの№1とともに輸入ワインでも№1を目指す」など、商品戦略を説明した。