2013年度の酒類市場規模は5.1兆円、2年連続のプラス-キリン調べ
国税庁の2013年度(2013年4月~14年3月)の都道府県別の酒類消費数量をもとに、キリンが試算した2013年度の酒類消費金額は、前年比1.3%増の5兆1,641億円だった。2年連続のプラス。2012年度は3年ぶりプラスだった。消費数量(アルコール100%換算)も0.6%増と2年連続のプラス。12年度は7年ぶりにプラスに転じていた。
酒類市場5兆円はキープできることとなった。2003年度は5兆3,342億円だったので、この10年間で3.2%、市場は縮小した。
消費金額の算出方法は、小売販売時点をベースとしており、キリンの推定実勢小売価格を数量に乗じたもの。
販売数量は0.6%増なので、金額1.3%となると金額の増加率のほうが大きかった。これも2年連続の傾向。12年度は3年ぶりに金額が上回っていた。特に清酒は数量が2.0%減だが、金額は0.7%増えている。清酒大型紙パックの実勢価格上昇と需要の低迷、一方で吟醸酒などの高級酒が売れていることを示している。焼酎甲類も同様で、大型ペット容器の販売減により、減少率は金額の方が小さい。ウイスキーも数量では9.1%増だが、金額では12.0%に跳ね上がるなど、樽熟成などした高級ウイスキーが売れていることを示した。一方、ビール・発泡酒の減少率は、数量よりも金額が上回り、また新ジャンル(リキュール類)も数量の伸びに金額がついていっていない。つまり、ビール類市場は依然として価格競争が激しいことがみてとれる。
都道府県別にみると、多くのところで消費金額がプラスとなった。5%以上のプラスは岩手5.3%増、神奈川6.4%増、岐阜5.0%増、三重6.1%増、熊本6.3%増。ただし、12年度にプラスだった大都市圏で、軒並みマイナスに転じた。埼玉は0.8%減、千葉は0.3%減、東京横ばい、大阪は2.6%減。これは12年度が11年度の震災による需要減の裏で大都市圏がプラスだったことの、また裏という見方もできる。