サッポロがジャパンプレミアムブリュー社を発足、クラフトに本格参入
サッポロビールはクラフトビール事業に本格参入する。100%子会社のジャパンプレミアムブリュー株式会社を立ち上げ、サッポロという140年の看板を掲げない新規のマーケティングと商品開発を行う。「ナショナルクラフト」という新たなポジションを創造する考え。
18日に時松浩取締役執行役員営業本部長(写真右)、また新会社の社長に3月25日付で就任する梅原修一氏(現経営戦略部新規事業推進グループリーダー、写真中)らが登壇して発表した。時松本部長は「当社はこれまで百人ビールラボ・びあけん・北海道ライカーズなど、新たな成長機会の創出を目指して、日本のビール文化の啓蒙に注力してきた。商品を出して、マスで宣伝して、というのとは一線を画すマーケティングとブランド戦略を展開していきたい。国内クラフトビール市場は、現在、国内ビール総需要シェアで1%弱とみられるが、米国並みに成長すれば、2020年には1.2%程度に達するとみられる。現在、米国7%、豪州2~3%だ。当社のクラフトビール事業の定義は“個性や希少性を持たせたビールタイプを、これまでのナショナルブランドとは異なる生産・販売体制で届ける新たなビールビジネスモデルを提案していくこと”となる。
具体的には、ジャパンプレミアムブリュー社は、ブランドマーケティングと商品企画を行う。サッポロビールに製造を委託し、サッポロ社は当面、那須工場で製造する。その製品をサッポロビールが購入して、消費者に届ける–というもの。目指すポジションは“ナショナルクラフト”だ。いわゆる地ビールは、多様性を持つが、例えば安心・安全の担保などの問題もある。地ビールの個性や希少性と、ナショナルブランドの飲みやすさ・信頼感・安心感という、両方の良さを併せ持つのがナショナルクラフトだ」と述べた。