1~3月のビール類課税、仮需の裏で9.1%減

ビール酒造組合などが発表したビール5社の1~3月のビール類の課税出荷は、前年比9・1%減の8385万ケースとなった。昨年の消費増税前の仮需要(昨年1~3月は10・0%増)の裏が大きい。ただし、ビール樽生は3・0%減に抑えた。

販売数量ベースで、1月は5・4%減。昨年末の出荷が膨らんでいたため、その反動が出た。地方を中心に大雪が多く、業務用に影響もあった。2月は2・9%減%。昨年、2月下旬の段階で、消費増税前仮需に向けて各社が「景品付きカートン」などの対策をとり、仮需が発生していたことの裏が大きい。ただし、業務用の樽生は5%増と好調だった。3月は17・9%減。特に昨年の中旬が仮需のピークで、今年の中旬は23%減となった。

なお、2013年1~3月との比較では、ビール0・7%増、発泡酒8・6%増、新ジャンル4・2%減の合計では横ばいとなる。

アサヒビールの1~3月のビール類販売動向は、消費増税前の駆け込み需要の反動で、ビール類計で前年比11%減となった。3月はビール計で18%減。2月24日発売の、桜のデザインをあしらった「スーパードライ スペシャルパッケージ」の販売数量は、すでに計画の30万?を大幅に上回り、2月からの累計で、当初計画の2倍となる60万?となった。発泡酒計は、27%減、新ジャンル計は18%減。3月17日発売「クリアアサヒ 糖質0」の販売数量は53万?となった。

キリンビールの1~3月のビール類出荷は、前年比8%減。「一番搾り」は、「小麦のうまみ」や発売記念キャンペーンの好調もあり、前年並みで着地した。「淡麗グリーン」「のどごしオールライト」など機能系主要商品計は、前年比46%増と大幅増だった。

サントリーホールディングスの1~3月のビール類販売状況は、前年比6%程度の減にとどめた。「昨年の消費税増税仮需の裏返しの影響で、市場は販売ベースで10%程度の減とみられるなか、積極的なマーケティング活動により、市場より4ポイント程度高い実績で堅調に推移した」「当社の仮需数量約110万?を除くと3%程度の増と推定する」(同社)。 「ザ・プレミアム・モルツ」の販売数量は5%減の294万?。3月3日発売の「ザ・プレミアム・モルツ〈香るプレミアム〉」は、発売以降28万c/sを出荷し、計画通り。

サッポロビールの1~3月のビール類販売数量は、15%強の減となった。昨年の仮需の裏返し。3月単月では2割強の減。ただし、一昨年比では1~3月でほぼ増減なし、3月単月では一昨年を上回る。ヱビスブランド計は、1~3月で約1割減。3月単月では「ロイヤルセレクション」の発売もあり、前年並み。