インタビュー パスポート代表取締役社長・濵田総一郎氏

「生鮮&酒&業務スーパー」が好調、首都圏・北陸で約50店舗展開

鮮やかなグリーンの大きな看板が目印の「酒&業務スーパー」や「酒の専門店 PASSPORT」などを経営するのがパスポートだ。「酒&業務スーパー」は東京、埼玉、千葉を中心に、30数店舗を数える。

濵田総一郎社長は、芋焼酎「海童」などで有名な濵田酒造の次男である。東武鉄道を経て、濱田酒造で営業企画や東京支店長などを任されていたが、焼酎ブームも定着した頃、1991年に独立した。

濱田商事の酒卸売免許を活かして、酒類大型専門店「パスポート」のチェーン経営を手掛けた。しかし、大手量販店の安売り攻勢に、多くの酒類ディスカウントが悲鳴を上げ、撤退を余儀なくされる中、パスポートも追い詰められ、酒類小売免許が実質自由化された2004年には、経常損益1,200万円の赤字を計上するに至っていた。

ここで奮起したのが濵田社長だ。社是を「敬天愛人」、経営理念を「良知経営の実現」と定めた。「それまでは、時間の経過があるだけであって、経営と呼べるものではなかった。企業の歴史は平成16年(2004年)の4月に志を立てたとき本当の意味で始まった」(濵田社長)と振り返る。

「良知」とは「真・善・美に向かって万物を創造発展させて止まない人間の最高本能知」のことで「これを判断基準に、人のため世のために役立てる企業として、永続的に発展できる事業を行うこと」が「良知経営」だと述べる。

「私たちは何よりも、このフィロソフィーを大事にしている。この理念を実現するための手段として会社・経営があると言ってよい。社員のフィロソフィー研修は、他のあらゆる業務に優先する。このたび、本社(川崎市宮前区)に150坪の研修センターをつくった」(同)。

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