4月の九州本格焼酎出荷は30.6%増、1~4月では4.2%減
九州本格焼酎協議会がまとめた4月の九州7県における本格焼酎出荷数量(課税移出数量)は、合計で前年比30.6%増の3万6,978klとなった。前年(23.5%減)の仮需反動を受けての数字だ。ただ、1~4月では4.2%減と落ち込んでおり、今後の巻き返しが大事になる。
4月はすべての県がプラス。前年との比較を見てみると、宮崎(前年4月23.8%減→今年4月62.7%増)、鹿児島(25.9%減→14.6%増)、大分(23.3%減→25.8%増)、福岡(15.1%減→26.4%増)、熊本(31.7%減→21.6%増)。単純にポイントの増減をみると、宮崎、福岡、大分までは動いているとみえ、一方で鹿児島、熊本はまだ動きは鈍いと想定できる。
1~4月でみると、宮崎(14.7%増→2.0%増)、鹿児島(1.6%増→10.1%減)、大分(4.1%増→4.5%減)、福岡(12.7%増→1.1%減)、熊本(0.4%増→11.1%減)となっており、鹿児島、熊本の減少が気になる。
焼酎市場全体の流れは依然として重たい状況だが、トップを走る霧島酒造はリニューアル全国発売した「白霧島」が好調とし、薩摩酒造も活性化を図る「黒白波」「白波」が徐々に浸透してきているとし、個々に良い機運も出ている。これらが大きな流れとなって、市場を活性化してほしい。
「いいちこ」が長期熟成の新商品を出したように、長期熟成にスポットを当てた新商品や、濵田酒造グループの黄金麹といった独自の麹を使った商品(薩摩金山蔵)など、話題喚起へ各社の努力が目に見えて現れてきている。
酒類のブーム、流れは清酒やウイスキーにあるかもしれないが、こういう時こそ、次に来る流れを確実に活かすため、各社の地盤固めが重要といえそうだ。そのための布石は確実に打たれており、海外へ目を向けた取組や、女性や若者層をもう一度掘り起こそうという取組もみえる。夏場に向けては、焼酎ハイボールの提案も各地でみられ、業界全体の活性化で、焼酎全体にうねりを起こしてほしい。