5月の九州本格焼酎出荷は0.2%減、1~5月では3.5%減
九州本格焼酎協議会がまとめた5月の九州7県における本格焼酎出荷数量(課税移出数量)は、合計で前年比0.2%減の2万7,830klとなった。前年5月は仮需反動を大きく引きずり、14.9%減となっていたところからの0.2%減は消費が依然芳しくないことの表れか。1~5月では3.5%減で、こちらは前年1~5月が2.6%増だけに、今後の巻き返しが重要になる。
今年5月でプラスとなったのは、宮崎(6.8%増)、熊本(2.2%増)、福岡(1.0%増)。宮崎は前年5月が8.0%減からの巻き返しだが、熊本、福岡は前年5月ともに14.2%減からの微増だけに、消費の鈍さが伺える。その他、前年5月との比較では、鹿児島(前年5月19.5%減→今年5月4.7%減)、大分(17.1%減→3.0%減)ともに厳しい情勢だ。
1~5月でプラスは宮崎(10.4%増→2.8%増)だけで、鹿児島(2.7%減→10.5%減)の二ケタ減が気になる。他は、福岡(7.0%増→0.7%減)は前年プラスだっただけに今後の巻き返し次第だろうが、大分(0.2%減→4.2%減)、熊本(2.5%減→8.8%減)あたりも、6月からどう消費を喚起していくかが重要になる。
夏場はハイボール提案が活発で、先日は首都圏でも東京・新橋で雲海酒造が「そば&ソーダ」の提案を行っていた。飲食店とのコラボを推進しており、焼酎の話題喚起に努めている。芋や麦は定番化してしまっており、熟成や赤芋など原料を違えた提案を行うも、もう少し新たな切り口が出てくると、夏の焼酎もソーダ割りだけではなくなる。
その点、ラーメン店のオーナーが主導してつくりあげた350ml缶の「鹿児島ハイボール」は面白い取組で、セブンイレブンには導入されており、どこまで広がるか。全体で焼酎に目を向けさせる提案がほしいところ。