インタビュー サントリービール社長・水谷徹氏 ビジョンは“最高のうまさで、ワクワクさせたい。
–2014年10月にサントリービール株式会社が誕生しました。
水谷 ビール専業会社としてビジョンを“最高のうまさで、ワクワクさせたい。”と定めた。営業・生産・物流など全社員が当社のビールの歴史を振り返り、1963年にビール事業に参入した時の「やってみなはれ」の言葉に代表される、「情熱と挑戦」の会社であることを再認識した。業界には、ビール市場の成熟化という課題が厳然としてあるが、本当にビールの楽しさ・魅力を伝えきれているか。サントリービールの価値をいかに提案していくべきかを常に考えている。「とりあえずビール」という注文は有難いが、反面で、なんとなくのオーダーになっていないか、また2杯目、3杯目にビールを楽しむことにつながっていないのではないかと考えている。
当社は、デフレの時代の真っ只中に「ザ・プレミアム・モルツ」を発売し、プレミアムビールのカテゴリーを創ってきた。このことが多くのお客様の支持をいただき、サントリービールの知覚品質を向上させ、結果、新ジャンルの「金麦」、ノンアルコール「オールフリー」のヒットにもつながっている。サントリーしかできない味わいの提案。これに立脚していればシェアは結果としてついてくると思っている。
「ザ・プレミアム・モルツ〈香るプレミアム〉」、またこの3月に「サントリーは常にプレミアムビールの上を目指そう」ということで発売した「~ザ・プレミアム・モルツ~ マスターズドリーム」は、ワインなどビール以外のユーザーからもご好評をいただいている。やはり味わいの幅の狭い所で競争するのではなく、ワクワクする楽しさの提案が大事だと改めて実感している。
5月に開催した「ザ・プレミアム・モルツ フェスト」も5種類の「プレモル」を特別価格で楽しんでもらい、大変好評だった。各種のビアフェスの活況を見ても、いろんな味わいの幅が求められているし、提案すれば響いてくる。それがビール消費のダウントレンドに歯止めをかけることになるのではないか。