【輸入ビール特集】各社取り組み、池光エンタープライズ「シンハー」今期も2桁増
大手ビール会社の参入もあり、クラフトビール市場は今年も活況だ。街にはタップを揃えたビアバーが続々オープンし、量販店では瓶ビールの棚が拡大。国産ビール市場がゆるやかに縮小に向かう中、クラフトビールは「価格訴求しなくても売れる差別化商材」として熱い視線を浴びている。この流れは、輸入ブランドビールにとっても追い風だ。ただ、これだけアイテムが増えてくると、ただでさえ小さいパイの奪い合いになる。加えて日本人は飽きっぽい。飲み手の信頼と支持を得るためには、ブランドの持つ歴史や魅力を継続して訴求し続ける必要がある。各社の取り組みを取材した。
〈池光エンタープライズ〉 アジアビールブランド最大ボリュームのタイ「シンハー」は、今期も2桁増を記録した。「タイフェスティバル」などタイ業態のイベントだけでなく、音楽イベントやクラブイベント、スポーツチームへの協賛など、積極的なブランディング展開が実を結び、この7年間で販売数量は2倍規模に成長。カフェダイニングなど、タイ業態以外への配荷が進み、アジアビールというよりも海外ビールの一ブランドとして認識されるようになった。樽づめ」を取り扱う料飲店も増えている。海の家やビアガーデンなど夏の定番スポットに加え、競馬場やサッカースタジアムでの限定販売も順調だ。マンチェスターユナイテッドをはじめ、サッカーチームのスポンサードにも積極的で、この秋には日本でも新たな動きがありそうだ。