TPP、アメリカでは「日本酒」「薩摩焼酎」など日本産以外は販売禁止へ
TPP(環太平洋連携協定)の全章概要・参加国との交換文書概要が明らかになった。大まかな内容な既報(10月21日付)した通りだが、アメリカ、カナダとの「酒類の表示の保護」について細かな内容が明らかになっているほか、アメリカにおける「蒸留酒の容器容量規制の改正」内容が明らかになった(全文は資料面)。
アメリカ、カナダとの交換文書では、表示の保護に関し、現在、パブコメ募集中の「日本酒」に関しても地理的表示の対象として保護対象としているほか、アメリカとは特に、アメリカで製造されていない(他国で製造された)バーボンウイスキー、テネシーウイスキーを日本国内で販売することを禁止する旨が掲載されており、同時にアメリカ国内で日本の地理的表示対象ブランド(日本酒を含めて8つ)が日本以外の国で製造されたものに対し、販売を禁止する方向が示されている(公文には「販売を禁止することを検討する手続きを開始する」と表記されている)。
カナダとはアメリカほどの強い表現ではないにせよ、互いの地理的表示について双方での保護を謳っており、附属書として両国の地理的表示を付記している。
また、チリ共和国、ペルー共和国との「地理的表示に関する書簡(概要)」も明らかにされており、両国とこれまで結んできた協定の維持が掲げられた。チリとは薩摩焼酎とチリ産ピスコの保護を、ペルーとは壱岐、球磨、琉球、薩摩焼酎にペルー産ピスコの保護を再確認している。
○ 米国への蒸留酒輸出、日本の酒類業界が要望する容量で可能へ
また、これらとは性格の異なる協定内容として、アメリカでの蒸留酒の容器容量規制の緩和についての文章も明らかになっている。蒸留酒についてはこれまで750ml等と限定されていたが、「日本の酒類業界からの嘆願書を受領次第」、改正案を公表し、パブコメを経て、実現への手続きに入ることを約束する文書となっている。
主な内容には、「700ml、720ml、900ml、1.8Lの充填の基準を設定することを求める日本の酒類業界団体からの請願を受領した場合には」とされ、アメリカ財務省は規制改正の提案を行い、パブコメを60日間求める流れとされている。パブコメには日米双方の関心を有する全てのモノが意見提出が可能とされている。