ウイスキーが20%増、拡大と定着進む-日本洋酒酒造組合中川圭一理事長
日本洋酒酒造組合の中川圭一理事長(写真)は8日、恒例の年末会見を行い、今年の市場動向や来年の見通しについて、概略以下のように語った。
【2015年国産洋酒市場の動向】 日本では雇用・所得環境改善による堅調な個人消費に加え、消費税増税が延期されたこともあり、おだやかな回復の一年だった。消費支出もようやく回復に向かっているが、食品など身近なカテゴリーでは値上げの影響もあり、夏場以降緩慢な回復となっている。8月には、実質賃金もプラスに転じたが、所得差による格差も拡大する。今後は消費の階層化が進行するとともに、消費者ニーズも細分化すると思われる。
酒類市場においても、人口減少や少子高齢化を背景にゆるやかな現象が続き、厳しい一年となったが、国産ウイスキーや高アルコールRTDなどの、消費者ニーズを的確にとらえた商品は今年も人気を集めた。なかでも国産ウイスキーは、2008年以降の拡大傾向に加え、朝のテレビドラマの追い風もあり、2000年の水準まで拡大した。
カテゴリー別にみると、「国産ウイスキー」は今年も好調で、前年(11%増)を大きく上回る20%増の見込み。ユーザーは拡大すると同時に定着しており、特に2,000円以上のプレミアムクラスが大きく伸びた。「ブランデー」は前年を4%下回る見込み。「甘味果実酒」は、母数こそ少ないが、36%増と大きく伸長。「スピリッツ」は、高アルコールチューハイの好調を受けて15%増。ただ、「リキュール」では、大半を占める新ジャンルが苦戦したが、リキュール規格のチューハイやカクテルなどがプラスとなり、全体では前年を上回る見込みだ。