2015年ビール4社、新商品数3桁に迫る

2015年1~12月のビール4社のビール類新商品数は88で、PB/留め型を入れて99となり3ケタに迫った(期間・チャネル限定含む)。14年は68、13年は47であり、怒涛の新製品ラッシュとなった。定番ブランドの名を冠した派生商品は49となった。背景には「消費者のニーズが多様化して、6缶パック購入から、少しづつ違う缶を6缶、というように変わっている。小売店も消費者の多様なニーズを掴まえるためには手間がかかるとしても、新商品への期待度が大きくなっている。派生商品は、安心感のある定番ブランドだからこそ、そこから一歩、踏み出したものが求められている」(メーカー)という消費トレンドがある。

年間の出荷数量は前年比1%強のマイナスで着地しそうだ。人口減少と飲酒人口の高齢化でダウントレンドは続いているが、各社の積極的なマーケティングでほぼ前年並みにまで戻した1年といえる。

2月、3月が、昨年の増税前仮需の裏返しで1~3月で10%程度のマイナスでスタートした。4月が仮需反動の裏返しで20%程度のプラス。5月が大型連休を中心に天候が良く、気温も高くてほぼ前年並み、6月も晴天が多く、またメーカーの政策的な出荷あり、6%程度のプラスとなった。1~6月の上期では課税出荷ベースで0.6%減だった。

7月は上中旬の台風、社によっては6月の反動で、3%強のマイナス。8月は上旬が猛暑だったが、上旬がマイナスという不本意な結果で、1%強のマイナス。9月はビール「ザ・モルツ」の発売もあり、0.4%のプラスとみられる。10月もハロウィン販促と「ザ・モルツ」の好調などで0.5%増。11月は1.1%のマイナスに終わった。

特徴的なこととして、ビールの出荷が8月から11月まで4カ月連続でプラスになった。12月が2.6%以上のプラスであれば、年間で十数年ぶりにプラスになる可能性もある。

各社、ビール酒税改正も睨みながら、スタンダードビールの強化を図った年となった。アサヒの缶ビールは、8月が2%増、9月が9%増と近年にない動きとなっている。1~9月でキリン「一番搾り」は4%増。サッポロ「黒ラベル」缶は7%増。サントリー「ザ・モルツ」は9月8日発売だが、今年の計画を当初の1.5倍の300万c/sに上方修正している。