1月の清酒出荷は3.7%減、吟醸8.8%増、純米7.3%増も一般が7.9%減
日本酒造組合中央会がまとめた1月の清酒出荷数量は前年同期比3.7%減の2万8,962klとなった。前年1月(11.3%減)は2ケタ減だったことを考えると、暗雲のスタートといえる。昨年10月から4カ月連続の減少で、頼みの吟醸、純米が5%前後の増加に収まり、最大ボリュームの一般酒は逆に5%以上の減少を続けている構造の問題がいよいよ顕著になっている。吟醸、純米の勢いをどこまで伸ばせるか、一般酒の下げ止まりはどのラインかを考えてしまう。
参考に掲げた2015年1~12月の数字をみると、吟醸が2ケタ増、純米は4%増、対して一般酒は1.8%減、本醸造は4.1%減。この一般酒の下げ幅が昨年以上となると、今年はいよいよもって全体の消費量が影響を受け、同時に吟醸・純米の占める構成比がどうなるか。カギを握る一般酒は、前年1月は13.6%減で、14年(3.1%増)が仮需があったとしても数字はわずかで、下げ止まりへ話題喚起は必須に思える。
主産地は、京都(前年1月4.4%増→今年1月11.8%減)、兵庫(9.1%減→2.2%減)、新潟(11.4%減→5.1%減)と厳しく、京都、兵庫は吟醸、純米が伸びながらも一般の落ち込みが激しい構造。ただ、新潟は一般に加えて吟醸も減少しているのが心配だ。
東北は秋田(3.7%増→1.5%減)、福島(16.4%減→5.8%増)、宮城(10.7%減→2.9%増)。これらも一般の減少が要因だ。埼玉(17.7%減→4.6%減)、愛知(11.8%減→7.0%減)、広島(2.8%減→1.1%増)も同じ構造。大きく増加しているのは山口(7.7%減→37.6%増)、佐賀(6.7%減→28.4%増)ぐらいか。