4月のビール4社の販売実績は3.5%増、3カ月連続のプラス

本紙が推計した4月のビール4社のビール類販売実績は、前年比103.5%の3,493万c/s(大瓶20本換算)となった。3カ月連続のプラス。1~4月累計では99.5%とほぼ横ばいまでになり、97.8%だった第1四半期を挽回した格好だ。

ただし、メーカーでは、実需より若干上乗せされているとの見方が強い。すなわち、ひとつにはカレンダーの違いで、昨年は大型連休が本格的に始まる前に、5月1日の金曜日があり、5月にある程度の出荷が回ったが、今年は2日と6日を休めば最大10日間の連休になったため、4月末に出荷が集中した。

ふたつめに限定品含めて新商品が多かった。特に新ジャンルのキリン「晴のどごし」(19日発売)のボリュームが大きかったが、同じくアサヒ「ヴィクトリーロード」(26日)、またビールでもサッポロ「黒ラベル・エクストラブリュー」(12日)、アサヒ「ドライプレミアム豊醸」(同)、サントリー「ザ・プレミアム・モルツ〈サマースペシャル〉」(26日)が底上げした。

また、みっつめに「3月末の政策在庫が少なかったことにより4月に好影響が出た」との見方もある。

この結果、メーカーでは「実需は100%を若干割っており、底を打っているとは言い難い」との慎重な見方を崩していない。

営業日数は前年と同じ。旬ごとに取り出してみれば、上旬は営業日が1日少なく93.8%。中旬が営業日が1日多かったことと新商品効果で116.5%。下旬が102.0%。

5月もまた新商品が多い。キリン「47都道府県の一番搾り」の発売が開始されるほか、アサヒ「スーパードライ エクストラシャープ」(10日)、同「クリアアサヒ クリスタルクリア」(24日)、同「スタイルフリー パーフェクト」(31日)、サッポロ「ヱビス マイスター」(17日)、同「麦とホップ プラチナクリア」(31日)などだ。足元の連休は陽気も良く、実需好調だったとみられることから、5月も前年をクリアすることが期待されている。