16年はプレミアム2割増、売上は4%増の706億目指す-サントリーWI
サントリーワインインターナショナルは19日、事業方針説明会をベルサール東京日本橋で開催。同社代表取締役社長山崎雄嗣氏(写真左)は、国内外含めた同グループの概要や今年の市場戦略について概略以下のように説明した。なお、今回の発表は、「来週開催されるVINEXPO香港に日本ワインブランドとして初めて単独で出展、来月には“登美の丘”新ヴィンテージ発売や日本ワインMATSURI開催などを控えて」のもの。
【国内外グループの概要と中期事業方針】 国内グループ会社5社、海外は7社を抱え、昨年の総売上高は681億円。うち国内493億円、海外188億円。仏カステルとの共同経営によるGMdFの60億を加えると、全体で740億円となる。SWIでは、昨年の市場の伸び(2%)を上回る4%増となった。自然健康志向の高まりを受け、ナチュラルでヘルシーなワイン市場は、中長期的に伸長が続くと見る。
世界のワイン消費も中長期的には微増と見られ、なかでも中国と日本は今後の大きな成長が見込める市場だ。中国香港にはディストリビューターとしてASCファインワインズがあり、昨年は170億円売り上げた。両市場に販売網を持つのは当社の強み。中国では中間層が増大しており、中価格帯ワインの成長局面に入るはずだ。今後も日中両国で販売力を強化するとともに、ワインメーカーとしては自社ブランドの品質・ブランド力向上に努めたい。
【2016年の国内市場戦略】 「プレミアムワイン戦略の加速」と「需要創造に向けた商品開発・活動促進」の2本柱。当社では1200円以上をプレミアムワインと定義している。「登美の丘」「ウィリアムフェーブル」「ロスヴァスコス」「ヤルンバ」「カーニヴォ」「ローランペリエ」などに注力し、今年は前年比2割強の増を目指す。そのために、「ウイスキーアンバサダー」の成功を受け、サントリー酒類の全国17拠点にそれぞれ「プレミアムワインアンバサダー」を導入し、社内セールスへの啓もう活動を行ってもらう。なお、800~900円のスタンダードラインは前年並み、デイリーは4~5%の伸びを見込む。
また、日本ワインへの取り組みも強化。グラス売りの促進やインバウンド向け販売強化を通し、接点拡大に努める。日本ワインMATSURIへの出展もそのひとつ。
ワイン需要創造に向けては、今年相次いで投入した食連動型商品や、「カルロロッシ」の夏の飲み方訴求、ペットボトルによる利便性の向上などを実施。エントリーユーザーに向けては、フルーツスパークリングワイン「フルーツリー」の発売や「赤玉パンチ」提案などを進める。
【今年の売上高計画】 サントリーワインインターナショナル全体で、前年比4%増の706億円(うち国内は5%増の518億、海外は前年同の188億)を目指す。
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