小売中央会総会、役員改選で新会長に坂田辰久氏(東京)を選任

全国小売酒販組合中央会は21日、第63回通常総会を開催し、平成28年度事業計画など全議案を承認した。任期満了に伴う改選で、現副会長兼専務理事の坂田辰久氏(東京=写真)が新会長に就任した。前会長の松田武氏は3年を務めた。

坂田辰久新会長は「第1回理事会で満場一致で推薦を受けた。2年間、松田会長を踏襲していく。松田会長は立派な会長でしたので、そうなれるように頑張りたい」とあいさつした。

松田会長は冒頭あいさつで「粘り強く訴えかけてきた酒税法及び酒類業組合等に関する法律の一部を改正する議員立法が、5月27日可決・成立した。業界の歴史に残る法改正だ。これからは、酒類の過当な廉売競争に歯止めをかける実効性のある告示となるよう努力したい」と述べた。

改正法は、平成26年6月に全会一致で採択された「健全な飲酒環境の整備に関する請願」を具現化するもので、酒類の廉売問題の対策、組織強化の一助となる酒類販売管理研修の義務化を盛り込んだほか、違反したものについては、財務大臣による指示・公表・命令を経て、酒類小売業免許の取り消しを可能とするもの。

平成28年度事業計画では「酒類価格の適正化等、実効性のある基準の告示へ向けた取組みをコアとした中央会中期計画(5カ年計画)に基づき、加入促進、組合活性化を目指す初年度とする。法改正の根幹をなす当該基準を要とし、酒類の過当な廉売競争および“おとり商品”として扱われることに歯止めをかける実効性のある告示となるよう最大限の努力をする」とした。

なお、続いて全国小売酒販政治連盟の総会も行われ「基準への関与」を主な活動とする議案を了承した。施行までのスケジュールは、1年以内に、基準の作文(酒税課)、国税審議会、パブリックコメント、国税審議会、施行–となる。